【TPP】国会決議の完全履行を畜産緊急集会2015年7月24日
ハワイでのTPP閣僚会合を前に、日本の畜産ネットワークは7月23日、東京・永田町の自民党本部で「国際交渉から国内畜産業を守り抜く緊急畜産代表者集会」を開いた。
会場の自民党本部会議室は全国から集まった畜産関係者350名でぎっしり埋まった。交渉に関する情報開示がなされないなか牛肉・豚肉に関税引き下げや、乳製品の市場拡大も交渉されていると報道されるなど「おかしな情報が散逸している」として「断固としてあやふやな合意をしないでほしい」と主催者らは訴えた。生産者からは畜産が壊滅すれば加工や流通業など地域経済も崩壊するとの声があがったほか「息子が養豚の後を継ぐと言い始めた。ここで、お父さんたちは何をやっていたんだといわれないようにがんばらなければならない」との訴えもあった。
自民党からは主要な農林幹部が来賓として出席。衛藤征士郎・外交経済連携本部長は「政府には国会決議をふまえて、ではなく遵守することを求めていく」などと話した。 集会では以下の決議を採択した。
【国際交渉から国内畜産業を守り抜く緊急畜産代表者集会特別決議】
TPP交渉を巡っては、オバマ大統領が6月29日、大統領貿易促進権限(TPA)を取得し、合意に向けた機運が急速に高まっている。7月28~31日には、米国ハワイ州のマウイ島で閣僚会合が開催される。
今交渉は、甘利大臣の最近の発言から最終合意が予想され、農林水産
分野とりわけ畜産への要求が極めて強い模様で、我が国畜産への影響が強く懸念される。
一方、日本畜産は、8万戸強の農家に加え関連産業も含めて約100万人
が従事し、畜産のみならず、食肉処理場、乳業工場等、畜産関連産業は
雇用機会の少ない地域の極めて重要な産業になっている。
にもかかわらず、畜産物の海外依存は年々増加し、肉類は45パーセン
ト、乳製品も55パーセントを既に輸入に依存している。
加えて、世界人口急増下、異常気象による大幅生産減、悪性伝染病発
生等による輸入の困難性が危惧され、食の安全保障上、畜産物をこれ以上海外に依存することは余りにリスクが大きすぎる。 さらに、畜産の衰退は地方の疲弊につながり、現在政府が推し進めようとしている地方創生にも逆行することになる。
このため、畜産経営の維持、雇用の確保、危機管理に加えて、安全・
安心な畜産物供給の観点からも、これ以上に日本の畜産が縮小しないよ
う、政府・自由民主党は、自由民主党の決議、衆参両院の農林水産委員会の決議を完全履行することを、全国畜産117団体の総意として、再度強く要請する。
以上、決議する。
平成27年7月23日
国際交渉から国内畜産業を守り抜く緊急畜産代表者集会
(写真)7月23日の畜産緊急集会・自民党本部(東京・永田町)
(関連記事)
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