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【TPP】大筋合意撤回を 農民が官邸前で抗議2015年10月22日

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 TPP大筋合意は国会決議を全面的に踏みにじっているなどとして農民連(農民運動全国連合会)は10月22日、官邸前に100人が集まって抗議の声を挙げた。国会批准を阻止するため、これまでに広がった団体や個人との連携をさらに強め批准反対運動を続けていくことをアピールした。

農民連によるTPP反対抗議 農民運動全国連合会の白石淳一会長はTPP大筋合意について「満身の怒りを込めて断固として抗議したい」と官邸に向かって声を張り上げた。 大筋合意について農民連は(1)米価大暴落のなか、米国と豪州に特別枠を設け、さらにミニマムアクセス米の運用改悪と合わせて輸入量は合計13万8000tにも及ぶ。(2)牛肉・豚肉は関税撤廃に近い水準までの関税を引き下げ、(3)麦、乳製品、甘味資源は事実上の関税であるマークアップの削減や輸入枠の設定などを指摘。公表では重要5品目では30%に及ぶ品目が関税を撤廃されることになり、さらに牛肉や豚肉でそれが70%に及ぶ。
 白石会長は「国会決議では重要5品目の関税撤廃を認めないとしていただけでなく、除外や再協議を求めていた。しかし、今回発表された合意内容はその国会決議をまったく踏みにじったものだ。強く抗議し断じて認められない」と訴えた。
 また、重要5品目以外でも「大変な事態になっている」ことも強調。果物や野菜の全部、林産物、水産物まで関税撤廃は全面的に及ぶ合意内容だ。「譲歩に次ぐ譲歩を繰り返し、日本農業に壊滅的な打撃を与える。安倍首相が2013年2月のTPP参加表明で"聖域は確保できた"との言葉はまったくの嘘っぱちだったことが明らかになった。
 にもかかわらず安倍首相は重要5品目を例外とすることができたと述べている。こんな居直りは許せない。選挙でもTPPは反対だ、ぶれないウソはつかないといって当選した。その言葉はまったく忘れているではないか。おおいに声を挙げよう」と呼びかけると参加者からは「そうだ」の声。 「大筋合意をしたからといって決まったわけではない。この後、協定文の策定や国会承認の手続きがある。この過程で異常な秘密主義に貫かれたTPPの反国民的な性格、多国籍企業奉仕が一層明らかになる。反対の声は大きくなりこそすれ静まることはない。農業生産を守るために全力を挙げる。この間の運動で大きく広がった団体や個人の連携をさらに広げて大筋合意を撤回させるために全力をあげる」と訴えた。
 また、米価については「農協の努力もあっていくらか概算金はアップしたが、依然として生産費割れの水準。これでは来年から米づくりが続けられないという悲痛な声が農村で巻き起こっている。何として政府が実効ある米価回復対策を行うべきだ」と強調した。
 かけつけた野党国会議員からは「国会決議がまったくなきものにされている。何のための国会か、国会決議か。国会があってなきものになれば、政府による独裁を許すことになる」と批判。また、臨時国会を開いて審議する気配もない姿勢も批判した。消費者団体からは「国産農産物を食べたいという人は多い。安さだけを求めているわけではない。大筋合意は、とくに若い農業者の意欲と希望を奪うもの。日本農業を潰すようなことは許せない」などとアピールした。

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