TPP大筋合意は「非常に残念」 自民党島根県連がJAグループ島根に2015年11月20日
既報のように11月17日にJA島根中央会の萬代宣雄会長らJAグループ島根の関係者が森山農相に対して「将来を展望でき再生産を可能とする農業政策に関する要請」を行ったが、その際、萬代会長は、自民党島根県連にTPP大筋合意をどう受け止めているのか考えを示すよう申し入れ、農業分野の交渉結果について「残念」だという回答を得たことを明らかにしたが、その全文を入手したので、その内容を紹介する。(既報については本文末にリンクを貼っています)
JA島根中央会、島根県農政会議、TPP反対ネットワーク島根は、TPP大筋合意を受け、10月19日に松江市で、県選出国会議員の竹下亘衆議院議員、青木一彦参議院議員、島田三郎参議院議員が出席した「国政報告会」を開催。その後、10月26日に、自民党島根県に対して、「これまで、我々が再三要望して参りました情報開示は全くなされないまま、農産品重要5品目の関税撤廃を認めない等の衆参農林水産委員会決議が守られない内容で合意に至った」。さらに安倍総理の大筋合意後の記者会見で「関税撤廃の例外をしっかりと確保することができた」「国益にかなう最善の結果を得ることができた」と述べたことに対し「我々農業者の気持ちとは全くかけ離れたもの」だと指摘したうえで、この交渉経過と合意内容に対する見解を文書でするよう要望した。
これに対して自民党島根県連は、11月2日、竹下亘会長名で「TPP協定交渉の大筋合意に対する自民党島根県連の取組みについて」と題する文書で回答した。
このなかで自民党島根県連は、「農業分野での重要5項目の関税を『聖域』と位置づけ守ることを約束し、衆参国会決議を踏まえ、食料の安全・安心、安定供給などを確保する」ために県連としても「総力を挙げて取り組ん」できたが、「不本意ながら農業重要5項目586品目のうち174品目について守れなかった」とし、そのことは「非常に残念に思います」。
また、重要5項目のほか関税撤廃による影響はほとんどないと思われる品目もあると聞き及んでいるが、「島根の農業に全く影響がないとは思いません。この結果に至ったことに対しては、心より申し訳なく思う」とした。
そのうえで自民党島根県連は、10月30日に竹下県連会長を本部長とする「TPP総合対策本部」を立ち上げ、「TPP合意内容の方向付けを更に検証し、耕作条件が不利な中山間地域が大部分を占める『島根県農業』を守るため全力で取組んでいく。「農業が無くなれば地域も消滅してしまうという思いで、『農業を守り』『地方創生』のため、地域農業に寄り添って改めてきめ細かい施策を訴え、政府自民党へ全力で働きかけて」いく決意を述べている。
(写真)国政報告会で挨拶する萬代JA島根中央会会長、TPP大筋合意を受けて開催された国政報告会
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