年間売上300万未満が約5割 農村女性の起業活動 農水省まとめ2016年4月11日
農水省は平成27年3月31日での「農村女性による企業活動実態調査結果」を3月29日にまとめた。
農村などに住んでいる女性が中心となって、地域産物を使った農林漁業関連の女性の収入につながる経済活動を対象に調査した。
平成26年度の企業数は全国で9580件。高齢化などの理由により24年度の調査に続き1.4%減少した。このうち個別経営数は4939件(前調査比2.7%増)で、グループ経営は4641件(同5.5%減)と、個別経営の数がグループ経営の数を上回った。
グループ経営の経営体では平均年齢60歳以上が74.5%を占めていた。なお、個別経営で同年齢層は56.8%。両経営とも60~69歳の年齢層が一番多かった。なお、39歳以下の年齢層は個別経営で増加傾向にあると同省は分析している。またグループ経営の構成員数は10人未満が全体の55.4%を占めていた。
法人形態をとっている経営体は、両経営あわせて1009件で、全体の10.5%を占めている。前回調査時にくらべ179件(21.6%)の増加で、法人化の進展がみられる。
◆5割は300万円未満の年間売上
年間売上げ金額は、両経営体とも300万円未満の階層が全体の約5割を占めた。個別経営で1000万円以上売上げる経営体が全体の7.4%を占め前回調査時より41件(1.3%)の増加だった。またグループ経営では5000万円以上売上げる経営体が全体の5.1%を占め、前回調査時より20件(9%)増加した。それ以外の階層の経営体はどちらも減少しており、売り上げ規模が拡大していることが分かる。
活動内容(複数回答)は食品加工が73.6%ともっとも多く、次いで直売所など流通・販売に関する取り組みが70.1%、農業生産が24.8%となった。インターネットでの販売が前回調査より増加していた。
今後の事業展開について、「拡大・新規展開していきたい」と答えた経営体は全体の19.1%、「現状維持」が56.7%、「縮小、廃業を考えている」が6.1%だった。
今後の事業展開・運営上の課題は回答の多かった順に、人手の確保、販売ルートや集客の確保、労働負担の軽減などがあがった。
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