G7農相会合「新潟宣言」を採択2016年4月25日
4月23日から新潟市の朱鷺メッセで開かれていたG7新潟農相会合は24日の本会合で「新潟宣言」を採択した。世界の食料安全保障の強化のため、農業者所得の向上と農村地域の活性化、技術開発の促進による生産性の向上、気候変動に対応した持続可能性な農業の確立などの実現が重要との認識を共有した。日本をはじめG7各国に宣言に盛り込まれた農政の実現が求められる。
7年ぶりに開催されたG7農相会合では、G7の農業を取り巻く課題を共有した。その課題は農業者の高齢化、農村の過疎化によるコミュニティ活動の危機と、一方、世界人口の増加と経済成長による多様な食の嗜好に応える食料生産と異常気象への対応などだ。
新潟宣言は、これらの課題に対応するG7の今後の農業政策の共通認識を示した。
その柱のひとつが、新規就農と女性の参画を促進するため、農村地域の活性化と農業者の所得向上の双方を進めていくこととした。森山農相は日本としては「産業政策と地域政策を車の両輪として進め、農業の体質強化をはかっていきたい」と強調した。
宣言では農業の6次産業化など付加価値最大化を支援して、農業者のフードバリューチェーン(FVC)への参加を拡大させるとした。農業者組織や協同組合による付加価値の増大も記述した。
女性と若者の活躍を推進することも柱とし、政策課題共有のための国際フォーラムを開催することに合意した。
また、発展途上国にもFVCを構築するため、責任ある投資と貿易の重要性も盛り込み、農業分野の投資に関する国際フォーラムを開催することも合意した。
農村地域の活性化の観点からは、農村景観や独特な食文化を評価するなど、宣言では「農村コミュニティの重要性を認識し、農村地域の農業者と非農業者の両方の所得向上につながる、農業生産にとどまらない」多様な活動を推進することも盛り込んだ。農業生産の増大と付加価値の増大によって、雇用創出など農村の非農業者の所得向上にもつなげる重要性を指摘した。
農業技術開発とイノベーションの推進によって生産性を向上させ、人口増大と都市化などによる多様な食へのニーズに応える食料供給能力の改善の重要性も挙げた。また、動植物疾病や薬剤耐性(AMR)との闘いも挙げ、AMRに対処するためG7獣医当局間の協力枠組みを設置することに合意した。
気候変動に対しては国際研究協力を推進することや、異常気象被害などに対応できる強靱な農業インフラの整備などの推進も重要視した。また、気候変動に関する国際研究をG7でフォローアップイベントを開催することにも合意した。
そのほか、東日本大震災から5年が経つことをふまえ、日本産農産物への輸入規制について科学的知見に基づくものであるべきことを盛り込み、また、熊本地震ついてはG7として心からの連帯の表明も盛り込まれた。
森山農相は「農業政策について包括的に議論し一定の共通認識を得た。G7が連帯して取り組んでいくことで世界の食料安全保障に貢献できる」と会合を評価したうえで「ただ、実施されて初めて正しい評価につながる。宣言と行動計画をしっかり実行していくことが大事だ」と強調した。
(写真)共同記者会見をする森山農相(右から5人め)ほかG7の農業大臣とFAO・OECDからの参加者
(G7新潟農相会合の関連記事)
・明日からG7新潟農相会合 (16.04.22)
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