水田フル活用で世界に貢献-森山農相2016年4月27日
食料安全保障の強化をめざしたG7新潟農相会合の終了後の記者会見で森山農相は「水田をフル活用していくことが世界の食料事情に貢献すると思っている」と語り、新潟宣言をふまえて国内農政を推進する考えを示した。
農村地域の活性化と農業者所得の向上を柱に食料安全保障の強化を推進するとした新潟宣言について、森山農相は農業者の高齢化と集落維持の課題を抱える「地方都市へのメッセージ」と位置づけた。
開催地の新潟については「昔は腰まで浸かって米づくりをしていた地域が土地改良事業によって大きく生まれ変わった。まさに瑞穂の国の原点は新潟にあると思う」と語り「今は米は余っているが、水田をフル活用していくわれわれの政策に間違いはない。世界の食料事情を考えると日本の水田が世界の食料安全保障に貢献していくときが来るのではないか」との考えを示した
新潟宣言では女性や新規就農者の活躍、6次産業化とフードバリューチェーンの構築、農業へのICTの活用などが強調されたが、目的は世界の食料安全保障の強化だ。生産現場からは今回の農相会合の成果が、自分たちにどう関係するのか疑問も生じているが、日本では水田フル活用政策が重要な柱であることを改めて確認したといえる。
また、新潟宣言で「農業のあらゆる可能性を拡げる取り組み」と「農村コミュニティの活性化」を推進する、との文言を盛り込んだことを「産業政策と地域政策を車の両輪」とする日本の農政の発信であるとして、G20農相会合にも貢献できる農政の方向だとした。
国内では飼料用米生産の恒久化に向けた議論が期待される。また、「車の両輪」であるためには産業政策と地域政策のバランスを欠いては前に進まない。世界に向けたメッセージが国内農業の現場につながっているという実感が持てる政策が期待される。
(写真)亀田製菓の視察後、同社玄関ロビーで記者会見する森山農相。左は佐藤英道政務官。
重要な記事
最新の記事
-
小泉農相 米の緊急輸入は「否定されるべきではない」2025年6月7日
-
シンとんぼ(145)-改正食料・農業・農村基本法(31)-2025年6月7日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(62)【防除学習帖】第301回2025年6月7日
-
農薬の正しい使い方(35)【今さら聞けない営農情報】第301回2025年6月7日
-
【注意報】さとうきびに黒穂病 多良間島で多発のおそれ 沖縄県2025年6月6日
-
【注意報】さとうきびにメイチュウ類 久米島で多発のおそれ 沖縄県2025年6月6日
-
備蓄米なくなれば米の緊急輸入も 小泉農相表明2025年6月6日
-
全農 備蓄米 出荷済数量7割に 6月5日現在2025年6月6日
-
米価 「下がる見通し」判断増えず 米穀機構2025年6月6日
-
【動き始めたバイオスティミュラント】農水省がガイドラインを公表 今後は業界の自主的なルール作りと適切な運用が課題に2025年6月6日
-
米の自給守り抜く瀬戸際 農家への所得補償を 国会内で緊急集会2025年6月6日
-
供給過剰なら備蓄米確保を JA全中 山野会長2025年6月6日
-
【'25新組合長に聞く】JA馬路村(高知) 長野桃太氏(3/26就任) 「村興し」のその先へ2025年6月6日
-
【統計】りんごの収穫量 前年産比1%増 農水省2025年6月6日
-
【統計】みかんの収穫量 前年産比18%減 農水省2025年6月6日
-
(438)食と金融における「余白」と「ゆらぎ」【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月6日
-
【JA人事】JAひがし宗谷(北海道)佐藤裕司組合長を再任(5月16日)2025年6月6日
-
大手農機メーカーの大型作業機が集結 JAグループ宮城の「営農支援フェア2025」2025年6月6日
-
若手農業従事者90人に聞いた「農作業と熱中症に関する実態調査」草刈り、薬剤散布は特に注意2025年6月6日
-
タイの研究開発拠点を拡張 現地ニーズを反映した製品開発を加速 クボタ2025年6月6日