所得増大と生産力強化支援を-JAグループの予算要望2017年8月28日
JA全中は7月の理事会で30年度農業予算に関する要請を決め8月25日の自民党農林関係会議で団体要望を行うなど、農業者の所得増大を支援するなど予算実現を求めていく。
30年度予算要請の重点のひとつが「農業者の所得増大を実現する生産・流通等への支援」。
このなかで▽意欲あるすべての産地の体質強化加速のため「産地パワーアップ計画」に基づく取り組みの支援拡充、▽米麦等の流通合理化に向けた共同乾燥調製施設や保管施設などへの支援、▽輸出拡大を図るためのオールジャパン体制での「日本産」ブランドの販促への支援、▽輸出対象国の衛生条件を満たす食肉処理施設などの整備、▽生産現場でのGAPの普及・実践を進めるための生産者・指導者の研修会受講の推進、サポート体制強化への支援、▽6次産業化等の促進などを求めている。
また、品目ごとの対策のうち水田農業対策では、米の直接支払交付金の廃止に代わる措置として「30年度からその財源を多様な担い手の経営対策のさらなる拡充等に振り向けることとする」という平成25年11月の与党合意をふまえ、「水田農業政策を総合的に充実・強化すること」を求めている。
水田活用の直接支払交付金は、単価の維持と地域の裁量で重点品目の支援などに活用できる産地交付金が重要になっているとして全体の増額が必要だと要望するとともに、輸出用米も交付金対象とするなどの支援強化も求めていく。また、30年産以降、都道府県段階・地域段階の農業再生協議会の役割が重要になることから、再生協がさらに需要に応じた生産を実現するよう機能発揮できる支援も求めている。
畜産・酪農対策では、地域内での支援対策の構築による労働負荷の軽減、新規就農者・後継者の確保の観点からの地域の「畜産クラスター計画」への支援拡充と継続を求めるとともに、繁殖雌牛の増頭、乳用後継牛の導入・効率的な生産にかかわる支援、TPP関連法によるマルキン拡充等の早期実施なども求めている。 野菜では加工・業務用野菜の生産拡大に向けて、水田地帯における野菜産地育成などの支援、果樹では産地の収益力向上をはかるため、未収益期間も含めた改植・新植への支援を求めている。
そのほか、担い手育成の推進として、親元に新規就農する場合も交付金対象とする要件緩和を求めていく。そのほか、鳥獣被害防止対策、都市農業振興、原発事故対策として農業生産の再生、風評被害対策などの充実も要請している。
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