入善ジャンボ西瓜など地理的表示(GI)に新たに10品目2017年12月19日
農林水産省は12月15日、地理的表示(GI)に新たに10産品を登録したと公表した。
地理的表示(GI)保護制度は地域で長年育まれた特別な生産方法によって、高い品質や評価を得ている農林水産物や食品の名称をその品質基準とともに国が登録し、知的財産として保護する制度。農林水産省は学識経験者からの意見聴取などを経て登録している。
今回、登録されたのは以下の10産品。富山、香川、宮崎、滋賀はそれぞれ初の登録となる。GI登録産品はこれで58となった。
▽八丁味噌(愛知県)
=赤褐色で色が濃く適度な酸味とうまみ、苦渋味といった他の味噌にはない独特な風味を持つ。愛知県は高温多湿で天保、弘化、嘉永ごろに塩と大豆を用いて安全に味噌づくりができる味噌玉作り製法が定着した。
(申請者:愛知県味噌溜醤油工業協同組合)
▽堂上蜂屋柿(岐阜県美濃加茂市)
=平均80gと大きな干し柿。果肉は飴色で繊維質が少なく柔らかい。昼夜の温度差がある盆地型の気候のため高糖度の柿が生産される。
(申請者:美濃加茂市堂上蜂屋柿振興会)
▽ひばり野オクラ(秋田県雄勝郡羽後町)
=身が大きいが柔らかいオクラ。多彩な調理法に使用できる点や安定した品質が評価されて他産地より3~5割高値で取引されている。日照量が多い地域でハウス栽培による温度管理が容易、生産者が互いのほ場を巡回しながら栽培技術を改良。
(申請者:JAうご新成園芸組合)
▽小川原湖産大和しじみ(青森県上北郡東北町、六カ所村、三沢市)
=大粒で濃厚な出汁と身もしっかり味わえることが特徴。小川原湖は全国有数のしじみ漁場。平成5年にはしじみ専用市場となる魚市場が開設され一元集荷が可能となった。
(申請者:小川原湖漁業協同組合)
▽入善ジャンボ西瓜(富山県下新川郡入善町)
=ラグビーボールのような長楕円形のユニークな外見。平均重量は17~19kg。黒部川の肥沃な扇状地で明治後期からジャンボ西瓜の栽培が始まり栽培方法が確立している。
(申請者:JAみな穂)
▽香川小原紅早生みかん(香川県)
=果皮の色が鮮やかな濃紅色なのが特徴の温州みかん。香川県坂出市で発見された「枝変わりの紅いみかん」を差別化商品として地域で育成し品質向上に努めた。
(申請者:JA香川県)
▽宮崎牛(宮崎県)
=きめ細やかなサシを持ち、口に含むとほのかな甘味と芳醇な香りが特徴。全国和牛能力共進会で第9回、第10回で総合優勝。昭和48年に宮崎方式と呼ばれる県内種雄牛の一元管理体制を全国で初めて構築。
(申請者:より良き宮崎牛づくり対策協議会)
▽近江牛(滋賀県)
=約400年前から生産が続く最も古い銘柄牛のひとつ。日本の牛肉食文化への貢献と肥育技術の高さから日本三大和牛とも称される。稲作が盛んな地域で稲わらを中心に給餌する肥育技術が発達。
(申請者:一般社団法人滋賀県畜産振興協会)
▽辺塚だいだい(鹿児島県肝属郡肝付町、南大隅町)
=ダイダイとは異なる系統の地域固有の香酸かんきつ類。ライムにも似た独特の香りがある。辺塚集落は山と海に囲まれ、地域限定の特産物として町外への苗木の持ち出しを禁止し守り育ててきた。
(申請者:JA鹿児島きもつき)
▽鹿児島黒牛(鹿児島県)
=霜降りのバランスがよく融点が低い不飽和脂肪酸を含むため、とろけるような食感。昭和37年から種雄牛の県有化を進め昭和61年に鹿児島牛としてブランド化。
(申請者:鹿児島県肉牛振興協議会)
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