田畑価格の下落続く 理由は後継者不足と高齢化2018年11月6日
田畑価格の下落に歯止めが掛からない。一般財団法人・日本不動産研究所がまとめた調査によると、2018年3月末で、全国平均の10a当たり田畑(普通)価格は、田が71万1164円、畑が43万4523円だった。それぞれ1.9%、1.2%低下した。いずれも長期にわたり、低下が続いている。
田の価格は1993年以降連続、畑は1992年以降連続の下落。共に1977年の価格に近い水準まで低下した。価格水準をみると、これまで最高だった1992年(119万2792円)の59.6%、同じく畑は1987年(68万2466円)の63.7%だった。前回と比べた変動率は、田で0.1ポイント縮小し、畑では変化がなかった。
価格下落の主要な理由は、「農業後継者の減少」が20.9%で、「高齢化」(19.9%)、「買い手がない」(18.4%)、「農業経営の先行き不安」(12.1%)、「米価の下落」(10.4)の順。「米価の下落」は、3年連続の米価上昇で、2015年調査の1位から5位に後退している。
畑価格下落の理由は、「高齢化」と「農業後継者の減少」がいずれも19.9%で、「買い手がない」(16.9%)、「農業経営の先行き不安」(8.0%)、「農畜産物価格の下落」(3.4%)の順になっている。
一方、田畑の賃借料は、10a当りで田が9035円、畑が6090円で、前年に比べそれぞれ1.4%、0.8%低下した。田の賃借料は、最高だった1986年(2万4019円)の37.6%、畑は同じく1986年(1万1339円)の44.9%だった。それぞれ1975年、1978年の水準になっている。
なお、この調査は全国で約1500の市町村を選定し、生産力・耕地条件によって「上の中・普通・下の中」に区分し、市町村役場または農業委員会等に調査票を送付して回答を得た。今回の回収率は70.6%だった。
(関連記事)
・農地価格 23年連続で下落-純農業地域(18.04.04)
・農地価格22年連続下落 全国農業会議所(17.03.31)
・田畑価格 26年連続下落 (一財)日本不動産研究所(17.10.31)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(166)食料・農業・農村基本計画(8)農業の技術進歩が鈍化2025年11月1日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(83)テトラゾリルオキシム【防除学習帖】第322回2025年11月1日 -
農薬の正しい使い方(56)細菌病の防除タイミング【今さら聞けない営農情報】第322回2025年11月1日 -
酪農危機の打破に挑む 酪農家存続なくして酪農協なし 【広島県酪農協レポート・1】2025年10月31日 -
国産飼料でコスト削減 TMRと耕畜連携で 【広島県酪農協レポート・2】2025年10月31日 -
【北海道酪肉近大詰め】440万トンも基盤維持に課題、道東で相次ぐ工場増設2025年10月31日 -
米の1等比率は77.0% 9月30日現在2025年10月31日 -
2025肥料年度春肥 高度化成は4.3%値上げ2025年10月31日 -
クマ対策で機動隊派遣 自治体への財政支援など政府に申し入れ 自民PT2025年10月31日 -
(459)断食:修行から管理とビジネスへ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年10月31日 -
石川佳純が国産食材使用の手作り弁当を披露 ランチ会で全農職員と交流2025年10月31日 -
秋の果実王 旬の柿を堪能 福岡県産「太秋・富有柿フェア」開催 JA全農2025年10月31日 -
「和歌山県産みかんフェア」全農直営飲食店舗で開催 JA全農2025年10月31日 -
カゴメ、旭化成とコラボ「秋はスープで野菜をとろう!Xキャンペーン」実施 JA全農2025年10月31日 -
食べて知って東北応援「東北六県絆米セット」プレゼント JAタウン2025年10月31日 -
11月28、29日に農機フェアを開催 実演・特価品販売コーナーを新設 JAグループ岡山2025年10月31日 -
組合員・利用者に安心と満足の提供を 共済事務インストラクター全国交流集会を開催 JA共済連2025年10月31日 -
JA全農と共同開発 オリジナル製菓・製パン用米粉「笑みたわわ」新発売 富澤商店2025年10月31日 -
【スマート農業の風】(20)GAP管理や農家の出荷管理も絡めて活用2025年10月31日 -
農業経営効率化へ 青果市況情報アプリ「YAOYASAN」に分析機能追加 住友化学2025年10月31日


































