子牛の保証基準価格 黒毛53万超-31年度畜酪対策2018年12月13日
政府・自民党は12月12日、31年度畜産酪農対策を決めた。肉用子牛の保証基準価格などはTPP11が発効する12月30日に新たな算定方式に基づき算定した価格を適用する。
政府のTPP等政策大綱では協定発効に合わせて肉用子牛保証基準価格を現在の経営の実情に即して見直すこととされている。
保証基準価格とは、肉用子牛の生産条件や需給事情を考慮し、肉用子牛の再生産を確保するために定める価格。保証基準価格を下回った場合、生産者補給金を交付する。
これまでは平成3年度の牛肉輸入自由化前7年間の農家販売価格や生産費などをもとにしていたため、実態と離れた水準となったことから、今回は28年ぶりの算定方法の見直しとなった。
(※表をクリックするとPDFファイルが開きます。)
黒毛和種は1頭あたり34万1000円だったが、協定発効で同53万1000円(31年10月の消費税引き上げ後は同54万1000円)とした。
一方、合理化目標価格は、牛肉の国際価格や肥育に要する合理的な費用からみて、生産の合理化で実現を図るべき価格のこと。それを下回った場合はその差額の9割を交付する。
これまで黒毛和種は1頭当たり28400円だったが、これを同42万1000円に引き上げる(消費税引き上げ後は同42万9000円)。
また、酪農の加工原料乳生産者補給金は前年より1kg当たり0.08円引き上げ同8.31円とした。また、集送乳調整金は同0.06円引き上げ同2.43円とした。合計で1kg当たり10.80円となり、同0.14円の引き上げとなった。
交付対象数量は340万tと前年度と同水準。ちなみに30年度実績は313万tの見込みとなっている。
また、鶏卵の補てん基準価格は1kg185円、安定基準価格は同163円と据え置きとなった。
そのほか31年度のALIC(農畜産業振興機構)事業による関連対策は合計295億円で30年度より41億円増額となった。中小酪農経営等の生産基盤維持・強化対策の拡充や、離農農家の経営資源を新規就農者に継承できる仕組みや後継牛バンクなどを支援する新規事業を措置する。家畜排せつ物処理施設の長寿命化対策も拡充する。
(関連記事)
・【畜産酪農対策】小規模経営の営農継続支援を JAグループが重点要請(18.12.10)
・もと畜費増などで肉用牛の生産費増加 農水省統計(18.12.07)
・11月29日いいにくの日 写真集「宮崎牛家族」発売(18.11.29)
・【緊急特集:TPP11 12月30日発効】「ゆでガエル」化を危惧【高橋勇・JA浜中町参事】(18.11.06)
・【今村奈良臣のいまJAに望むこと】第64回 荒廃した山を牛の放牧で見事に修復した(18.10.06)
・【JA全農飼料畜産中央研究所笠間乳肉牛研究室】能力の高い牛をつくる技術を研究(18.09.10)
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】カンキツ類に果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 高知県2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(1)2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(2)2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(3)2025年10月17日
-
25年度上期販売乳量 生産1.3%増も、受託戸数9500割れ2025年10月17日
-
(457)「人間は『入力する』葦か?」という教育現場からの問い【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年10月17日
-
みのりカフェ 元気市広島店「季節野菜のグリーンスムージー」特別価格で提供 JA全農2025年10月17日
-
JA全農主催「WCBF少年野球教室」群馬県太田市で25日に開催2025年10月17日
-
【地域を診る】統計調査はどこまで地域の姿を明らかにできるのか 国勢調査と農林業センサス 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年10月17日
-
岐阜の飛騨牛や柿・栗など「飛騨・美濃うまいもん広場」で販売 JAタウン2025年10月17日
-
JA佐渡と連携したツアー「おけさ柿 収穫体験プラン」発売 佐渡汽船2025年10月17日
-
「乃木坂46と国消国産を学ぼう!」 クイズキャンペーン開始 JAグループ2025年10月17日
-
大阪・関西万博からGREEN×EXPO 2027へバトンタッチ 「次の万博は、横浜で」 2027年国際園芸博覧会協会2025年10月17日
-
農薬出荷数量は0.5%増、農薬出荷金額は3.5%増 2025年農薬年度8月末出荷実績 クロップライフジャパン2025年10月17日
-
鳥取県で一緒に農業をしよう!「第3回とっとり農業人フェア」開催2025年10月17日
-
ふるさと納税でこどもたちに食・体験を届ける「こどもふるさと便」 IMPACT STARTUP SUMMIT 2025で紹介 ネッスー2025年10月17日
-
全地形型プラットフォーム車両「KATR」、レッドドット・デザイン賞を受賞 クボタ2025年10月17日
-
農業分野初「マッスルスーツSoft-Power」と「COOL-VEST」を同時導入 イノフィス2025年10月17日
-
伝統のやぐら干し「産直大根ぬか漬けたくあん」がグッドデザイン賞受賞 パルシステム2025年10月17日
-
鳥インフル 米モンタナ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年10月17日