【野上新農相】成長産業化に向け輸出と改革継続-就任会見2020年9月17日
菅政権で新農相に就任した参議院議員の野上浩太郎氏が9月17日午前、就任記者会見に臨んだ。
野上浩太郎 新新農相
冒頭、「農業は国民に食料を供給するとともに、地域の経済を支えている。高品質な農林水産物と食品、美しい農山漁村の風景など、わが国の成長の糧となる大きな潜在力を持っている。成長産業化を図るために、これまでも農地の集約や農協改革を行ってきた。輸出額は7年で倍増するなど、着実に成果が上がっている。これまでの改革を確実に推進することにより、農業の成長産業化と地域の活性化、食料安保の強化、食料自給率の向上を図っていきたい」と述べ、「使命は農林水産業を強くし豊かな農山漁村をつくって成長していくことだと思う。先頭に立って若者が自ら将来を託すことができる農林水産業の実現に向けて全力で取り組みたい」と決意を語った。 菅総理からは農林水産物の輸出、農林水産分野の改革の2点にしっかり取り組んでほしいという指示があったという。
ただ、改革について総理から具体的な課題や分野の指示はなく7月に閣議決定した規制改革実施計画に盛り込まれた農業分野の課題に取り組む考えを示した。
◇ ◇
また、来年3月の改正農協法施行の5年後見直しでは、准組合員の事業利用規制などに結論を得ることになっている。
これについては「農協は農業者の組織という原点に立ち返って農業者の所得向上に全力で取り組むことが重要だ。JAグループは農産物の有利販売、生産資材の有利調達など農業者の所得向上を図る取り組みを実践するなど、自己改革を実施している」とし、また、改革集中推進期間終了後も自己改革を不断に続けると表明したJAグループに対して「農水省は自己改革は進展と評価し、自己改革の継続を促している」とこれまでの経過を説明した。
そのうえで准組合員の事業利用規制などについては「改正農協法は令和3年3月末に農協のあり方等を検討することにしている。信用事業をはじめとした農協の経営環境は厳しさを増しているが、経済事業の収益力向上などによる経営の持続性確保が課題となっている。JAグループや規制改革推進会議とも議論して検討していきたい」と述べた。
◇ ◇
農相就任は組閣前日に菅総理から打診があり「極めて重要な分野だからがんばってほしい」と言われたという。30代に富山県議になったころ同年代の農業者とよく話しをしたといい、「自分たちの世代の農家が持続可能になるよう取り組んでいきたい」などと話した。
(のがみ・こうたろう)昭和42年5月富山県生まれ。平成4年慶大商学部卒、三井不動産入社。11年富山県議会議員。13年参議院議員当選。17年財務大臣政務官、22年参議院議員当選、25年国土交通副大臣、28年参議院議員当選、内閣官房副長官。
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