さとうきびのメイチュウ類発生に注意 沖縄県2020年11月4日
沖縄県病害虫防除技術センターは10月30日、宮古群島のさとうきびにメイチュウ類のカンシャシンクイハマキ、イネヨトウが多発しているため注意報を発令した。
10月中旬の調査結果では、新植夏植ほ場の芯枯茎率は宮古島・伊良部島で2.7%の「平年値よりやや多」(前年0.3%、平年0.7%)、多良間島は1.6%(前年0.4%、平年値なし)となった。
「宮古島・伊良部島におけるメイチュウ類(芯枯茎)の発生推移」
芯枯茎切開調査の結果、確認されたメイチュウ類幼虫はカンシャシンクイハマキが69.2%、イネヨトウは30.8%だった。10月のカンシャシンクイハマキとイネヨトウの合成性フェロモントラップ誘殺虫数(虫数/トラップ/日)は、それぞれ宮古島25.5頭(前年5.3頭、平年4.7頭)、1.7頭(同2.8頭、同1.7頭)、多良間島1.4頭(同5.0頭、同4.1頭)、3.9頭(同0.4頭、同0.3頭)だった。
どちらも沖縄県では周年発生し、ふ化幼虫は葉鞘の内側を下降して節部の芽や根帯から食入し、生長点を加害し芯枯れを起こす。
カンシャシンクイハマキ幼虫、イネヨトウ幼虫
主な被害は、カンシャシンクイハマキがほ場に散在的に発生するのに対し、イネヨトウは集中的に発生し坪枯れを発生させる。 防除に関しては、ほ場及び周辺除草の徹底を促すとともに、発芽揃期から有効分げつ期の芯枯れ防止をねらい、培土時に食入初期の幼虫を対象にした薬剤防除を行うことを呼びかけている。
乳剤の場合は葉鞘内に薬液が浸透するよう丁寧な散布を心がける。粉剤の場合では、茎と葉元の間に散布して降雨や散水等で溶解させ、葉鞘内部に浸透させることで防除効果を高くすることができる。薬剤防除後は2~3週間をおいて再度防除を行うことで防除効果が高まるとし、被害の多い地域では薬剤による一斉防除を推奨している。
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