香川の鳥インフルエンザ 欧州から-農研機構2020年11月27日
農研機構は、今シーズン香川県で発生した高病原性鳥インフルエンザのウイルスは昨年冬にヨーロッパで流行したH5N8亜型と近縁であることが判明したと11月25日に発表した。この秋、渡り鳥とともに大陸を渡って日本に侵入したと考えられるという。

農研機構は11月5日に香川県三豊市で確認された今シーズン国内1例目(香川1株)と8日に東かがわ市で確認された国内2例目(香川2株)の全ゲノム配列を解読したところ、遺伝子の相同性が99.5%と高いことが示された。
さらにこれらのウイルスの8本すべての遺伝子分節が、2019年~20年の冬にヨーロッパの家きんと野鳥から分離されたH5N8亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルス(ヨーロッパ株)と98.4%という高い相同性を示した。
また、北海道大学の独自調査で10月に北海道紋別市の野鳥から採取された株も香川株と99.1%という高い相同性を示した。
こうしたことから2019年-2020年の冬にヨーロッパで流行したウイルスが渡り鳥の繁殖期に営巣地であるシベリアに運ばれて渡り鳥の間で拡散し、日本へ向かう渡り鳥が持ち込んだと考えられるという。農研機構は野鳥が運ぶ高病原性鳥インフルエンザウイルスが養鶏場内に侵入しないように警戒が必要だと呼びかけている。
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