トマト黄化葉巻病多発で注意報 沖縄県2020年12月1日
沖縄県病害虫防除技術センターはトマト、ミニトマトのトマト黄化葉巻病が平年に比べ多発生となっていることから、注意報第11号を11月27日に発表した。
トマト黄化葉巻病の症状(トマト)
沖縄本島における11月のほ場調査の結果、この病の発病株率は 2.29%(平年値:0.2%)、発生ほ場率42.9%(平年値:12.5%)で、平年と比べ多発生となっていることが分かった。
同時にこの病を媒介するタバココナジラミの成虫数も0.05頭/葉(平年値:0.02頭/葉)と平年と比べやや多くなっている。
媒介虫のタバココナジラミ成虫トマト黄化葉巻病を発病すると、上位葉の黄化、葉巻、萎縮、落花などが起こり、被害がひどくなると収穫皆無となるおそれがある。発病前に着果した果実は正常に発育するが、発病後は開花しても結実しないことが多い。 この病は、タバココナジラミ(シルバーリーフコナジラミ)の成虫によって媒介され、一旦ウイルスを獲得すると死亡するまで伝搬能力を持つ。また、この病は接木伝染はするが、汁液伝染、種子伝染、土壌伝染はしないとされ、国内では、タバココナジラミによる経卵伝染は報告されていない。なお、タバココナジラミは500種以上の植物に寄生する。
防除上の注意事項は次のとおり。
(1)罹病株の抜き取り処分
〇トマト黄化葉巻病の病徴が見られる株は、早急に抜き取り処分する。抜き取った株は放置せず、ビニール袋に入れるなどして密閉処分する。
(2)タバココナジラミの防除
〇施設の開口部には目合いの細かいネットを使用する。特に入口はネットで2重カーテンをしてタバココナジラミの侵入・逃亡を防ぐ。
〇登録農薬による防除を行う(トマトとミニトマトでは登録薬剤が異なる場合があるため注意)。防除の際は登録の有無、散布履歴、収穫前日数等を確認し、ミツバチ等による交配をしている場合は影響の少ない剤を選択する。また、コナジラミ類は薬剤抵抗性が発達しやすいので、同系統薬剤を連用しない。
〇トマト黄化葉巻病が発生している施設への立入りはなるべく避ける。やむをえず作業等で施設内へ入った場合は、コナジラミの拡散を防ぐため、衣服や髪などを払った後に施設を出ること。
(3)野良生えトマトとムラサキカタバミ(雑草)の除去
〇管理されていない施設内外のトマト、ミニトマトおよびムラサキカタバミは、トマト黄化葉巻病やタバココナジラミの発生源となるため除去する。
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