離島地域のメイチュウ類多発で注意報 沖縄県2021年2月1日
沖縄県病害虫防除技術センターは離島地域において、サトウキビのメイチュウ類(カンシャシンクイハマキおよびイネヨトウ)の発生が多発していることから、病害虫発生予察注意報第12号を1月29日に発表した。
1月に新植夏植と春植えほ場で実施したメイチュウ類の芯枯茎調査の結果、芯枯茎率は沖縄本島の2.8%に対し、南大東村は28.6%、久米島町は17.3%、伊是名村は22.1%だった。芯枯茎率に基づく発生程度は沖縄本島が「少」、南大東村と伊是名村は「甚」、久米島町は「多」と判定された。同センターでは、11月中旬の石垣島での調査で、サトウキビのメイチュウ類の発生がやや多いことを受け、注意報第10号を発令し注意を呼びかけていた。
メイチュウ類は被害ほ場とイネ科雑草が発生源となり、ほ場に侵入する。ふ化幼虫は葉鞘内側を下降し節部の芽や根帯から食入し、生長点を加害し芯枯を起こす。
カンシャシンクイハマキは沖縄で年6~7世代を重ね周年発生する。卵は葉や茎に1~数卵ずつ産み付けられ、1雌当たりの生涯産卵数は200~500卵となる。その被害はほ場内に散在的に発生する。
イネヨトウは沖縄では年5~7世代を重ね周年発生する。卵は葉鞘の裏側に卵塊で産み付けられ、1雌当たりの生涯産卵数は400~700卵に達する。初期被害はほ場周縁部でみられ、ほ場内でスポット状や畝に沿って被害が拡大する。被害が集中的に起こるため、生育初期に加害されると坪枯れを起こすこともある。
防除対策は次のとおり。
(1)ほ場および周辺の除草を徹底する。
(2)発芽揃期から有効分けつ期の芯枯れを防止するため、食入初期の幼虫を対象に薬剤防除を行う。
(3)乳剤の場合、葉鞘内に薬液が浸透するように丁寧に散布する。粉剤の場合は茎と葉元の間に散布し、降雨や散水等で溶解させ、葉鞘内部へ浸透させることで防除効果が高まる。
(4)薬剤防除後は2~3週間程度、日にちを空け再度防除を行うことで防除効果が高まる。
(5)培土時は土壌害虫の防除を兼ねた薬剤(粒剤)を施用する。
(6)被害の多い地域では薬剤による一斉防除を行う。
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