デルタ株急拡大で景気回復さらに遅れ-農林中金総研2021年8月20日
農林中金総合研究所は8月19日、2021~22年度改訂経済見通しを発表した。デルタ株の感染急拡大で景気の本格回復はさらに遅れる見通しで経済成長見通しを前回から下方修正した。
4月から6月期は新型コロナの感染拡大で大都市圏では緊急事態宣言が発出されたが、人流は減らず、むしろ民間消費は前期比0.8%増と2四半期ぶりに増加するなど、景気の持ち直しの動きがみられ、また堅調な設備投資意欲を背景に民間企業の設備投資も増加した。その結果、GDPは2四半期ぶりに前期比0.3%、年率1.3%とプラス成長となった。
6月の景気動向指数は景気は「改善」との基調判断が4カ月連続となった。7月の景気ウォッチャー調査によると、ワクチン接種の進展や、五輪開催などの期待から現状は「改善」との判断が2月連続となった。
しかし、新型コロナのデルタ株の感染急拡大で先行き判断指標は3カ月ぶりに悪化するなど不透明感は根強い。
こうしたなか感染の第5波をうけて7月12日に東京都に対して4回目の緊急事態宣言を発出し、その後、8月に入り埼玉、千葉、神奈川、大阪に続き20日からは7府県を対象地域に加え、期限を9月12日まで延長することを政府は決めた。緊急事態宣言は発出されているのは13府県となり、まん延防止等重点措置の対象地域も16道県となっている。
こうしたなか7~9月期は引き続きサービス消費の低迷が続くものの、多少の鈍化は見られる輸出も増勢は維持され、設備投資の自律回復などが見込まれることから、農中総研は前期比年率2.4%とプラス成長を見込む。
ワクチンの接種が進んでいるが変異株に対する有効性の低下も報告されており、さらに新たな変異のラムダ株の流行の可能性もあり、21年度下期も景気回復ペースは感染状況に左右され「ストップ・アンド・ゴー」の状態が続くものと想定されるという。その結果、21年度は3.0%成長と前回より下方修正し予想した。
22年度に入ってからは3回目のワクチン接種などを経て新型コロナの経済への影響度が弱まっていき、経済活動の正常化が本格的に進むとみる。22年度は2.8%成長と予想している。
直近ピーク時の2019年7~9月期の実質GDP水準(558兆円)への回復は22年度下期と想定している。
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