「基本計画」 国会承認制に 自給率向上 政府の義務 農民連が提言2023年7月12日
農民運動全国連合会(農民連)は7月11日、東京・霞が関の農林水産省で野村哲郎農相と面会し「新農業基本法に対する農民連の提言」を提出した。
会見する長谷川会長(中央)ら。
提言は6月5日の全国代表者会議で発表しとりまとめた。
提言では今回の見直し作業にあたっては現行基本法施行から20年だけの振り返りにとどめず、貿易自由化などを進めた旧基本法制定以来、60年の検証と反省が必要だとしている。
また、自給率目標を定める基本計画を現在のような閣議決定ではなく国会承認制とし、自給率向上を政府の義務とする法的規範力を持たせることを求めている。
基本法検証部会の中間とりまとめでは自給率以外の指標を掲げるべきとしており、長谷川敏郎会長は面会後の記者会見で野村農相は「基本はやはりカロリー自給率が分かりやすい」と話したが、一方で「さまざまな数値を含めて検討したい」との意向も示したとして、自給率目標の政策上の格下げを懸念、「自給率を考えない農政、国政になっていること自体を問題にしていきたい。国民にもそこに危機感が高まっているのではないか」と指摘した。
提言では再生産が可能な価格保障政策に加え、フランスのエガリム法を参考にした立法措置による価格転嫁システムの実現を求めている。
さらに価格保障と価格転嫁では補えない所得について「食料供給保障支払交付金」など直接支払い制度の確立も求め、同時に「食べたくても食べられない人」が増えていることから、米や牛乳・乳製品を政府が買い上げ食料支援に回すことや、学校給食の無償化など食料支援制度も必要だとしている。
担い手については中間とりまとめで耕作放棄地の受け皿として大規模法人を想定しているが、「現場では目一杯、農地を引き受けている。これ以上できず中間とりまとめは現実離れしている」と批判、「家族農業や小規模農家、兼業農家も含めて多様な担い手を政策の主人公に位置づけることが必要」と強調する。野村農相はこうした主張に対して「家族農業が基本なのは間違いない」と応じたという。
提言は全中や全国農業会議所などにも提出。長谷川会長は「国民的な大議論を呼ぶ起こしていきたい」と話した。
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