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「学校給食は教育」 現場で食と農を知る機会 全国オーガニック給食協議会が研修2024年2月2日

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全国オーガニック給食協議会(代表理事=太田洋・千葉県いすみ市長)は、2月1日、東京・武蔵野市で研修会を開いた。「理想の給食を目指して~献立に有機食材を入れるのが先決~」のテーマで有機農産物や地場産物を使用するための課題を章館するとともに、優れた事例を共有し、取り組みの方向性を探った。

オーガニック学校給食.jpg報告者らによるパネルトーク

オーガニック給食は、2022年に全国フォーラムを開いて以来、全国で有機農産物を学校給食に取り入れる自治体が増えている。ただ、本格的に有機農産物を学校給食に入れるとなると、既存の納入業者からの苦情や、調理に手間がかかったり、必要な量が確保できなかったりするなど、さまざまな障壁が出てくる。研修会では、これらの課題と取り組んでいる事例が報告された。

長野県で学校給食地消地産食育コーディネーターとして活動する杉木悦子さんは、「学校給食は教育だ」と言う。食育の中心に学校給食を位置づけ、積極的に地産地消に取り組んできた。

従って食育は給食だけでなく、「土について学び、種をまいて育てて、収穫して、料理して皆で食べる。食教育の基本はそこにある」と指摘。その結果、子どもは自分の住んでいるところと、そこで育てた農産物が「好き」になる。栄養教師として勤めた学校では杉木さんの給食は残食がなかったという。

「日本一健康文化都市」を宣言している静岡県の袋井市は、子どもの食事調査に基づき、野菜を多く取り入れた給食を追求。令和4年度は年間200日近く、地場産野菜が給食で提供されている。

そのため同市の「おいしい給食課」が給食センターと地元の生産者の間に立って必要な野菜の量を調整している。また冷凍商品でなく素材からの手作りにこだわり、地素材の良さを生かしている。

地場産農産物の確保は、地元の生産者との連携が欠かせない。長野県の松川中央小学校では、栄養士と調理師からなる「有機給食つくり隊」、地元農家の「有機給食とどけ隊」があり、それぞれ主体的に活動している。

栽培しやすく、使用量の多いニンジン、タマネギ、ジャガイモ、長ネギ、米の5品目の実証ほ場を設けて有機野菜を確保。この栽培経験が農業を知る機会になっている。同小学校では、町内の農業を知るため、野菜やほ場、実証ほ場のマップを作成し、「多くの人たちに支えられて、いまの給食があることを実感できる」と同小学校栄養士の木下めぐ美さんは考えている。

このほか研修会では、フランスの給食について、NPOこどもと農がつながる給食だんだん代表の本田恵久さんが報告。特にエガリム法で、公共調達に関しては高品質の食材を最低50%、そのうち有機食材を20%にすることが義務づけられていることなどを紹介した。また東京・武蔵野市が取り組んでいる「安全な食材選びと手づくり調理の学校給食」について給食・食育振興財団からの報告があった。

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