今度は都市住民にタスキ 「令和の百姓一揆」の意義とこれから レイバーネットTVが特集2025年4月11日
「令和の百姓一揆」実行委員会代表の菅野芳秀さんは4月9日、インターネット番組「レイバーネットTV」に出演し、市民運動や労働運動に取り組む人々と話し合った。菅野さんらは、農家と消費者・市民とが「共通の声をあげた」トラクターデモの意義を確認。「これからどうするか」をめぐって、議論は白熱した。
レイバーネットTVに出演した「令和の百姓一揆」実行委代表の菅野芳秀さん(前列右から3人目)と出演者、
スタッフ(4月9日、東京都千代田区)
レイバーネットTVは、労働運動の情報・経験を交換する市民団体レイバーネットがオンエアする2010年から続くインターネット番組。4月9日の番組では、3月30日のトラクターデモを受け、「令和の百姓一揆」を特集した。
レイバーネットTVで「令和の百姓一揆」の意義と今後について話し合う菅野芳秀さん(左から2人目)、
以下右に、瀬戸大作さん(反貧困ネット)、中島由美子さん(全国一般東京南部)、
加藤美和さん(反貧困ネット)、左端は司会を務めた農業ジャーナリストの大野和興さん
農家はたくさんの応援の中に
番組では前半、トラクターデモの感想と意見を交換。菅野さんは「ぎりぎりに追い込まれたところからのデモだったが、農家は孤立していない、たくさんの応援の中にいるとわかり、勇気と力をいただいた」。生活困窮者支援に奔走する反貧困ネットワークの瀬戸大作事務局長は「ゆるくて楽しい、参加することで元気になり学べる新しい一揆だった」と振り返った。
多くの仕事がなくなり困窮者が急増したコロナ禍の際、反貧困ネットは菅野さんたち農家から米や野菜を送ってもらい、困窮者に届けた。瀬戸さんは「私たちはその頃、『村の貧困』に気づけなかった。『一揆』を受け、今度は私たち都市住民にタスキが託された」と話した。
農産物が不当に安い一因は「低賃金」
反貧困ネットの運動に携わる学生の加藤美和さんが「国産のいい野菜や米が食べたいが、困窮者には手が届かない」と言うと、全国一般東京南部委員長の中島由美子さんは「農産物が適正価格で買えないのは賃金が安いから」と問題提起した。
スナック菓子が食事の代わり
瀬戸さん、加藤さんからは、食事をとらずスナック菓子で済ませるなど食習慣が損なわれた若者のことも紹介された。
「百姓は畑とコミュニティがあるから、農仕舞しても何とか食べていける。畑もコミュニティもない都市の人こそ、食が買えなくなった瞬間、命の危機に直面する」と菅野さんが述べたように、昨年来の「米騒動」は都市での生活を揺さぶった。
これからどうするか
だからこそ「令和の百姓一揆」は、農民だけの運動ではなく、食と農の危機を自分事と思う都市住民が合流したのだろう。その意義をかみしめつつ、番組では後半、運動と暮らしの「これから」をめぐって議論が盛り上がった。
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