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農政:創ろう食と農 地域とくらしを

【鼎談】協同の力で心豊かに、自然と共生する社会を2014年10月28日

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出席者
「少量多品目で里山を大切にする農業にこそ未来がある」山本伸司・パルシステム生活協同組合連合会代表理事理事長
「農業にも漁業にも大切な水資源を地域で守る活動を」濱田武士・国立大学法人東京海洋大学大学院准教授
「公益性と共益性そこに協同組合のあり方を考えるヒントが」鈴木利徳・一般社団法人アグリフューチャージャパン参与

 農村社会は高齢化・過疎化が急速に進行し、人間が生きることに必要な食と農、地域とくらしが危機にさらされている。そんな中で安倍政権の"戦後レジームからの脱却"をスローガンに岩盤規制を砕くドリルが轟音をあげ、食と農、地域とくらしを守り育ててきた農業協同組合に攻撃を加える一方で、このままでは消滅するといわれている「地域の創生」を唱えている。果たして今のような政策で国民が安心して住み続けられる社会が創れるのだろうか。
 そこで「改めて考える この国のかたち」をテーマに、食と農をテーマに生産者との連携を深めているパルシステム生協連合会の山本伸司理事長、漁業・漁協関係に詳しい濱田武士東京海洋大学大学院准教授、農中総研常務、農村金融研究会専務などを歴任し農業・農協に詳しい鈴木利徳アグリフューチャージャパン参与にお集まりいただき、これからの協同組合の果たす役割を含めて忌憚なく語り合っていただいた。

◆テーマは食と農、「いのちを結ぶ」こと

鈴木利徳・一般社団法人アグリフューチャージャパン参与 鈴木 まずはじめに山本さんから、パルシステム生協連(以下、パルシステム)の概要についてお話いただけますか。
 山本 パルシステム連合会は、関東地区を中心とする地域生協の連合会です。主な活動は、週刊で発行している商品カタログに基づいて注文を受けて翌週に配達をする店舗を持たない個別配達(個配)方式での商品供給です。
 現在、登録されている組合員は142万世帯で、実際に毎週利用している組合員は約70万世帯です。
 パルシステムの理念は「心豊かなくらしと共生の社会を創ります」です。「心豊か」とは、日本は経済的に発展してきたけれども、「心が貧しい」社会になっているので「心を豊かにする」つまり「コミュニティを豊かにする」ことです。
 「共生」については、自然と人間の共生を基本に、人と人が助け合う地域社会を創るということです。
 現在、2020年までのビジョンを掲げていますがそのポイントは「食と農を基本に協同の地域づくり」です。その理由は、いまの産業社会は、コスト削減と低価格競争になっていますが、これだと最終の小売り=出口を支配する大手CVSやスーパーにほとんど従属してしまい、第一次産業のような生命系産業の手取り収入が低くなってしまい、一番稼ぐのは出口を抑えているところになる。そこで私たちは、第一次産業である農林水産業と実際に家庭でそれを使う組合員=消費者との連携を生み出すこと、つまり食と農を結ぶことを中心的なテーマにしています。
 第一次産業と消費者だけでは生活できないので、食品加工業、流通業も含めて、生産から消費までの「いのちを結ぶ」過程をトータルにコーディネートして結びつけていこうということです。
 鈴木 生産者と消費者である組合員とのつながり方が深いという印象を持っていますが...
 山本 生産者・消費者協議会を設置しています。生産者を主体に会員生協の理事が加わり構成する幹事会、その下に全国を3地域に分けたブロック会議があり、そこには消費者も参加しています。品目ごとの部会もあります。
 鈴木 長いつきあいを前提にした仕組みをお互いに作り上げてきているわけですね。
 山本 商品個別の契約というよりは、産地との丸ごと契約である産直協定を結んでいます。協定を結んだ産地のなかには協議会を作り、そこで総会を年1回開き、そこで事業計画と交流計画を策定するところもあります。

(写真)
鈴木利徳・一般社団法人アグリフューチャージャパン参与

◆市場原理を超えて未知の世界へ

濱田武士・東京海洋大学大学院准教授 鈴木 濱田さんは、パルシステムについてどのような印象をもたれていますか。
 濱田 協同組合としてどんどん前に進み、未知の世界に踏み込んでいるイメージがあります。
 この国のかたちを考えるときに、都市と農村をどうするのか。大消費地が形成されてきた以上は、消費地として産地に対してどういう責任をもつかという問題があると思います。
 しかし、従来の既存流通だけだと、高いか安いか、品質がいいかだけの流通でしかないわけです。モノだけではなく人のつながりをつくる必要があると考え、そのためにどういうシステムをつくるかについて、悩みながらよく知恵を絞られ、妥協なくやられていると思います。
 消費と生産は真っ向からぶつかり合う関係にあり、この関係をよくすることはできないから市場ができ、卸売市場が発展してきました。これを超えたものをつくるということは、相当に難しいと思います。とくに計画生産が不安定な農水産物では、基本的には市場原理に委ねるしかなかったと思います。
 市場原理で匿名性の高い取引きをすると、お互いに顔が見えないので、生産者は値段以外のところに喜びを感じられるものがない。市場の向こうは切れていてどうなっているのか分からないというのが、既存流通の最大の欠点です。
 その限界を超える取り組みを、顔を見合わせながら本当にぶつかり合うところに、踏み込んでやっておられるわけで、相当に苦労があるのではないかと思います。
 山本 生産者にとって環境とか有機栽培は最高の技術的な到達レベルではないかと思います。日本の農業生産は米国や豪州とは前提条件が違うので、慣行栽培・大量生産という流れだと「地獄を見る」と思っています。とくに米国の場合は補助金が裏側にあり、海外へ輸出するための戦略的なコストを国が持つという仕組みになっています。そして政治的に非常に優れていて、農業を守るという相手国の政策を解体する技術はピカイチです。同じ土俵に立てば負けてしまうので、いかに違う土俵で競争するかです。

(写真)
濱田武士・東京海洋大学大学院准教授

◆面白さ、わくわく感あるプログラムで

山本伸司・パルシステム生協理事長 山本 だから、日本が本来持っていた少量多品種で、狭い国土の中で里山を守るような農業こそ未来ではないかと思います。ただ、これはものすごくコストもかかるし、高い技術が要求されます。そういう生産者の努力を、消費者がどれだけ認めるかです。口先でいくら有機がいいといっていても、現実の財布には勝てず、安物に走りがちです。
 ところが、生産者と交流し消費者も一緒に参加して教育していくプログラムによって、非常に絶大な価値を感じる。そうすると、何かを止めても食べ物に投資をし、お米一粒でも感謝をして食べるようになります。市場経済において消費者は安全で安いものを求め、生産者は多少粗悪でも高く売りたいという関係を逆転させる相互教育と価値の体系をどうお互いに協同組合らしく求めるかです。
 私は、機械的に頭で教育したり「原理主義的」にいくら言ってもダメだと思っています。遊び心があって、体験的な面白さとかわくわく感があるものでないと...。
 同じタマネギを提供するにしても、料理を初めたばかりの人には基本を、達人たちには提供する食材の特性を情報提供し、双方に美味しく食べてもらう。農業体験も田んぼの稲刈りという初級体験から生き物調査とか畔の雑草の種類から生態系を読み解くという高度な体験など、新しい価値の体験を生産者と消費者が相互に豊かに創りだしていくのがポイントではないかと思っています。
 鈴木 それは一般の流通業者にはできないことですね。
 山本 大手の流通や大規模な問屋は、表面上は真似をすることはできても、絶対に手がでませんから、協同組合が上手くやれば一人勝ちできる分野です。そのためには、遊び心を持った、豊かなビジョンと体験を広げていくことが必要です。そして二項対立にしないことです。
 鈴木 具体的には...。
 山本 関係者が集まってわいわい議論をすることを切らないことです。福島原発事故のあと若い組合員からは「福島から野菜を取るな、西から取れ」と相当に強い意見が出されました。パルシステムの主要産地は東日本ですから「それをみんな切るのか」という議論を、力関係や縦割りではなく、粘り強くやりました。産地ともじっくり話し合いをしました。
 権限の分散と利害関係者の集まる場、つまり生産者と消費者が一緒に議論する協議会が大事になるわけです。

(写真)
山本伸司・パルシステム生協理事長

◆国土破壊や温暖化で縮小する漁業

 鈴木 濱田さんから漁業の担い手の現状などについてお話しいただけませんか。
 濱田 漁業の担い手は、少なくなっています。近い時期に、現在の半分以下になるのではないかと思います。
 担い手が減っていくのは必然的なことです。戦後すぐに復員してきた人たちが漁村に入り、一気に漁業者が増えました。その後、動力化などで技術発展していき、競争で利益率が落ち、過剰人口になっているわけです。
 基本的には海の使える部分は有限ですから、その中でどれだけの人が生き残っていくのかということです。
 漁業は自然あっての産業で、自然が傷んだらお終いです。これだけ国土開発が進んで、沿岸域が埋められたり、砂利採集とかでぼろぼろになっています。河川は海に栄養を注ぐ大事な自然ですが、これも護岸工事とかダムなど都市化のなかで、よくない状態になっています。干潟などの生物多様の場所もどんどん失われています。こんな状態で漁業がよくなるとは正直、誰も思いません。
 さらに、温暖化など地球環境の変化もあるなかで縮小均衡が続いていって、どこで底を打つのという感じです。
 元気で頑張っている漁村もいくつかありますが、そういう所でさえ今日では人が減っています。儲かっているのに人手がないから外国人を入れようかという話まであり、漁村の崩壊危機が現実になってきています。
 しかし仕事はお金だけでは考えられない部分もあって、誇りをもって仕事をしている親を見て、後継ぎになろうという若者もいます。漁業は過酷な仕事ですから、それに誇りを持てるかどうかが最大のポイントです。
 自然のなかで、自分の存在意義を賭けられるかどうかという、ぎりぎりのところまできているのが、漁村の現状です。

◆漁業権は紛争を解決する「知恵の結晶」

 鈴木 農業と比較して専業漁家の割合は高いですね。
 濱田 船や漁具を買うなど初期投資が農業より大きいです。ですから一定の所得がないと続けられません。 
 鈴木 漁業は初期投資が大きいのと漁業権があって新規参入しにくいといえますか。
 濱田 漁業権は入会権で、集落に与えられてきた権利です。したがって、基本的には世襲制がとられてきています。それは、先祖代々、みんなで守ってきた、子孫のためにも守ってきた海だからというのが原則です。そしてこれは個人個人に与えられるものではなく、集落で総有(分割できないみんなの財産)しているものです。
 入会地がいまだに産業として使われているというのは漁業しかないと思います。
 しかし、漁協の定款上は新規参入できることになっていますが、それは3年間くらい修業をしてその地域になじみ、みんなに認められ仲間になったらということです。
 なぜなら、同じ海の上で漁業を営むといろいろな利害が発生し、一つの資源を巡って争いごとが起きるので、資源を枯渇させず、紛争にならないようにするためにはルールが必要です。農地で個別に農業を営むのとは違って、漁業はあくまでも共有の入会地のなかでみんながつくったルールを守れるかどうかが問われるわけです。だから協調性のない人間は仲間に入れないわけです。
 鈴木 漁業資源は有限で、人間が秩序をもって管理していかなければいけない。人間社会のコモンズが自然との共生にマッチした仕組みになっているのが漁業だということを改めて感じますね。
 濱田 漁業は近世から明治にかけて紛争を繰り返し、話し合いで調整を続けてきました。今もです。その歴史を含んだ権利として漁業権があります。単なる権利ではありません。
 鈴木 歴史の中で時間をかけてつくられてきたもの...。
 濱田 こういうルールにすればお互いに喧嘩にならないという「知恵の結晶」だといえます。

◆条件不利地で発揮される協同の力

 鈴木 濱田さんは著書のなかで、自然を守るという公益のために漁業協同組合という共益の組織が機能していると書かれていて、その通りだと思いました。そしてパルシステムの幅広い深みのある活動も公益を考えながら事業をしているからだと思います。そこに漁協との共通性を感じます。
 そこにこれからの協同組合のあり方を考えるときの大きなヒントがあるように思います。
 そうしたことを踏まえて、濱田さんはこれからの協同組合の可能性についてどうお考えですか。
 濱田 漁業は自然があっての産業で、自然がなくなれば終わってしまいます。だから、魚の獲り方も獲りすぎないように工夫するわけです。
 一方で、パルシステムの考え方は食べ物と自然との関係はこのままでいいのかという問題意識が大変に強く、生産者と消費者がぶつかり合うところを、「豊かさ」とは何かと突き詰めて「社会変革」しようとしているように感じます。
 山本 パルシステムとの関係で漁業をみていると、豊かな漁場を持っている所よりも、沖縄の恩納村とか北海道別海町の野付漁協のように、ある意味では条件不利地域の方が、協同の地域を守るという考え方が強いと思っています。
 恩納村は、沖縄返還後のリゾート開発で海が破壊されましたが、漁民が立ち上がり開発に関する協定を結び、ホテルなどの開発は必ず漁協の合意を得ることや、観光船をすべて漁協が管理することにしました。
 さらに漁協が地場のサンゴの種を増やしてサンゴ植樹をしています。そのサンゴの脇でモズクを養殖し、それをパルシステムで販売しています。
 サンゴの植樹は、産地、加工メーカー、生協が資金を拠出するほか、生協のポイントを活用した組合員からのカンパがあてられます。

◆本当の価値を見分ける力をつける

 鈴木 野付とは...?
 山本 野付漁協は栽培漁業を打ち出しています。とくにホタテは完全管理していて、大きくてとても美味しいです。この海に注ぐ川の上流に国が酪農プラントをつくり、河川が汚染されたためホタテが全滅したことがあります。そのときに別海町が間に入り川の周辺100mは一切手を付けないことにし、そこに植樹をしました。その植樹をいまは私たちも手伝っていますが、海に藻場が育ち小魚が増え、北海シマエビの漁場になっていますが、これも完全に漁協の管理です。
 漁協のスローガンは1軒当たり1000万円の収入ですから、次男も三男も戻ってきています。漁業権を分割できないかという話もあるようですが、分割すると大変なことになるので、固定制にしています。
 濱田 固定制でなければだめですね。
 山本 彼らの基本思想の中には、二宮尊徳の「譲りの思想」などがあります。
 ホタテが美味しいこともありますが、植樹のためのカンパを募ると集まるように、理念だけではなく運動への参加とそのための仕組みをつくることで、価値を高め安売りをしない...。
 濱田 パルシステムで扱っている野付のホタテは、野付でももっともいい漁場のものです。
 山本 大手量販店とかは、こだわりの専門店の真似をして大量生産するとか、同じ産地でも裾モノを安い価格で出してきます。
 これを超えていくためには、価値を見分ける力を消費者がもつことです。そのためには、手づくりとか本当の海の美味しさ、豊かさを知るために消費者が参加する運動をし、その運動と一緒になって商品が流通するようにすることです。
 濱田 かつては目利きができ良いものを使う料理人や魚屋がいましたが、いまはデフレ不況のなかでそうしたセクターが縮小して、良いものが良い値段で売れる市場がなくなってきたことに問題があります。そういうときに生協の組合員に支えられるということは、産地としては本当に助かっていると思います。

◆誰でも理解し参加できる「伝える力」が大事

 鈴木 価格でしか価値を見分けることができない状況に消費者はおかれています。しかし、協同組合の可能性を考えると山本さんがいわれたように、原理主義的にではなくて、消費者に参加してもらって本当の価値を見分けられる力をつける。そういう協同組合のデザイン力とか文化力が問われていると思います。
 濱田 その通りです。
 山本 正しいことは言っているけれど。堅苦しくて誰も聞かない理論ではなくて、みんなが読んで分かりやすくて、しかもお洒落で雰囲気がある。大勢の人たちに参加してもらって理解してもらえるような「伝える力」が大事です。
 最初の入口はハードルを低くして、誰でも参加しやすくし、次第に理解していける体系的なプログラムを創りだしていくことです。

◆一つの空間で共生する農林水産業

 鈴木 最後に農協に対する期待をお願いします。
 濱田 農協に期待するのは、水環境についてもう少し考えて欲しいということです。
 稲作だけでなく農業にとって水は重要な資源ですが、最近は、山が荒れて保水力が落ちて、水源が枯れてきていると聞きます。漁業者は山のことを気にして植林とかしていますが、農協も農業と山との関係についてもっと考え、お互いに大事な水資源を地域で守ろうという活動がもっとあってもいいと思います。
 鈴木 地域によっては、山と農業と漁業が一体というところもありますが、林業・農業・漁業と行政が縦割りになっている...
 濱田 空間的には一つで、同じ水資源を使っているのに共生する機能が異業種の協同組合間にないですね。植林活動は漁協と生協のケースはたくさんありますが、農協と、というケースは少ないですね。

鼎談のようす

(写真)
鼎談のようす

◆農協こそが地域の中心的な担い手に

 鈴木 山本さんは...。
 山本 日本の経済環境はアベノミクスでは伸びません。モノの国内生産は飽和状態で、中国やインドで電気製品や自動車などを生産すると売れています。つまり、20世紀の工業型社会システムは日本では完全にパンクし、欧米もそうです。米国は金融ビジネスで利ザヤを稼ごうとし、開発途上国は逆に20世紀モデルを動かそうとする。そうすると地球は壊れます。そういう大きな転換期に入っていると考えています。
 そうしたなかで、日本の農協は、これまで冠婚葬祭から病院まで地域のくらしのインフラを支えてきています。農協がだめになったら地域のくらしは崩壊します。問題は、時代が大きく転換する中で農協はどういうビジョンを持っているかです。
 旧来型の国の権力者や多国籍な資本市場を握っている人たちは、自然が壊れようと人間が壊れようと、戦争を起こそうと、原発やエネルギー問題を含めて、無責任に展開しています。
 これに対して、農協や漁協や生協など協同組合が力を合わせて、日本のような地域では里山を大切にした自給圏を組み立てていくような哲学やビジョンを明確にして、世界に発信しなければいけないと思います。
 攻撃されたから守るのではなくて、むしろ大企業や大資本ではもはや守れない。世の中が壊れてしまう前に、農業や漁業、水源・森、食べ物を守るためにわれわれは戦うというメッセージの発信を地域のなかでもやっていくことだと思います。
 鈴木 そこに協同組合の存在意義がある...
 山本 協同するというのは、「金太郎飴」ではなくて、利益相反する人たちや意見が違う人とコラボレーションすることです。
 もう一度「協同する」ことの意味を協同組合陣営が問い直しながら活動することが大事だと思います。
 農協が、農業者だけではなく、中小企業やいろいろな業種の人たち、農協に加入していない人たちを含めて、お互いに支えあっていく、地域の中心的な担い手になって欲しいと思います。
 濱田 規制改革会議の農協攻撃は、農業も農協もろくに知らない人たちが、最初から答えを決めて出しているもので、この会議自体が偽装機関だといえます。
 山本 攻撃がおかしいというだけではなく、自分たちからもっと豊かなビジョンを打ち出し、いかに彼らがおかしいかを一人ひとりが感じられるように、土俵をこちら側に持ってくることが必要です。
 濱田 すべての協同組合にいえることですが、国民から日常的になじみのある組織として認められていくことではないでしょうか。
 鈴木 今日はありがとうございました。

(特集目次は下記リンクより)
【特集 食と農、地域とくらしを守るために】農協が地域を創生する

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