農政:緊急企画:許すな!日本農業を売り渡す屈辱交渉
日本を標的にするトランプ大統領【孫崎享・評論家】2018年9月28日
安倍首相は26日、トランプ米大統領と会談し、新たな2国間の関税交渉である「日米物品貿易協定(TAG)」の協議に入ることで合意した。
朝日新聞は「焦点は農林水産品と自動車」と見出しで報じた。ただ、日本の報道では日経が「物品貿易協定の交渉入りで譲歩したが、自動車の追加関税は当面、回避に成功し防衛ラインをひとまず堅守した」とし、産経新聞は、「"シンゾーとの友情"トランプ氏、車関税かけず...強硬策防いだ安倍晋三首相」と安倍首相の成果の様に報じているがとんでもない。
共同声明は「日米両国は信頼関係に基づき議論を行うこととし、その協議が行われている間、本共同声明の精神に反する行動を取らない」としているのであり、米国側が、日本が交渉に誠意がないという判断をすれば、交渉を中止し、高関税をかけ、日本市場に米国農産物の市場開放を迫る、人質を取られている合意なのである。
私達は、トランプ大統領の仕掛ける米国の貿易戦争の標的は中国と日本であることを認識すべきだ。トランプ大統領は「米国を再び強く(MAKE AMERICA STRONG AGAIN)をしばしば訴えるが、トランプにとってアメリカを弱体化させたのは誰か。今日の中国と過去の日本である。
今メキシコ・カナダで自動車部品の75%を北米生産品とする交渉が行われてきたが、その標的は日本である。トランプが父から会社の経営権を譲られたのが1971年。彼は日本企業によって米国自動車産業、鉄鋼が衰退し、不動産や映画会社が日本企業で買収されているのを目にしてきた。彼が貿易戦争で、鉄鋼や自動車を主たる目標にしているのは当然だ。
本来トランプは米国農業者を大事にしていない。巨額にのぼる米中貿易戦争で、中国は米国農産物の課税を強化した。その意味では米国農業者はトランプを動かす側でなく被害者だ。だが農業関係者の不満は当然高まっている。その不満を対日輸出拡大で埋め合わせようとする。自動車産業重視の日本政府もこれに応じよう。
【TAGに対する緊急企画「許すな!農業を売り渡す屈辱交渉」のまとめページはこちら】
・TPP11と日米TAG ダブルパンチで脅かされる食の安全【堤未果・国際ジャーナリスト】
・TAGは「実質FTA」でなく「FTAそのもの」【鈴木宣弘・東京大学教授】
・日本農業をトランプに蹂躙させてはならぬ【森田実 政治評論家・山東大学名誉教授】
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