農政:全国会議員に聞く「どうするのかコロナ感染爆発」
神谷裕 立憲民主党 衆議院議員【緊急特集・全国会議員に聞く どうするのかコロナ感染爆発】2022年2月4日
神谷裕 衆議院議員
〇神谷裕
〇立憲民主党
〇衆議院議員
〇選挙区:比例北海道
〇出身地:東京都豊島区
【1】これまでの政府のコロナ対策についての評価
昨年の10月以降、第5波が急速に収まりました。理由は今後解明してもらわなければなりませんが、何よりその後、この劇的な終息もあったために、コロナがこれで終わったという空気がこの国全体を支配していたと思います。もちろんワクチン接種が進んだこともありますが、何より口では第6波の可能性を言いながらも、「もう大丈夫なのではないか」、「第6波は実際には来ないのではないか」という暗黙の空気感が列島全体を支配していたのではないでしょうか。その結果として、来ないかもしれない第6波への対応が決定的にできていなかった、あるいは遅れたというのが実情だと思います。3回目のワクチン接種、検査薬の準備体制、保健所の体制整備は、この先の非常時ではなく、平時の体制が前提で日程が進められ、政府は前倒しと言ってはいるものの、見通しを誤り、できるかぎり前倒ししたものの、第5波から第6波までの貴重なアイドルタイムを浪費したつけをはらっているようにも見えます。
【2】オミクロン株拡大による今後のコロナ対策で政府は何をすべきか。
まずは何より、今の感染症対策にしっかりと向き合うこと。第5波収束後、第6波発生前に令和4年度予算が決定されています。その結果、ポストコロナに軸足が置かれ、直面するコロナ対策を講じるという予算になっていとは思われません。現実には、農村現場、農業者の経営は、コロナ禍による在庫や価格低迷等の影響から、まだリカバリーできているとは思えません。もちろん感染中でも感染後のことを考えるのは悪いことではありませんが、現実にコロナの影響が残っている農村現場の課題を克服して後の、ポストコロナ対策であることを政府は忘れるべきではないと思います。
また科学的な知見を得るために、エビデンスを積み重ねることが重要だと思います。オミクロン株は従来とは特性が異なることが報告され、確実なようです。新型感染症が社会・経済活動に大きな影響を与えている以上、待機、隔離期間等、特性に合ったものにすべきだと思います。もちろんこの新型感染症は変異を繰り返すわけですから、次の変異後の毒性、感染性が同様であるとは言い切れません。やはりオミクロンと同定したうえでなければ従来通りの対策を繰り返すしかないと思います。
【3】コロナ禍で見えてきた「日本社会の課題」と現政権に望むこと。
コロナによって社会的・経済的にも深刻な影響があったため、女性や一人親世帯、非正規雇用等、この国の厳しい部分がより顕在化したように思います。また農業も同様で、コロナ禍によって農業者の抱える問題がより明確化したように思います。酪農やメロン栽培など、外国からの働き手に頼らざるを得ない問題や、外国人観光客の減少などにより需給環境が変わると、在庫が動かず、価格の低迷となっていく。これらの問題はコロナがより問題を深刻にしたとは思いますが、人手不足や需給環境、農産物価格の問題などはこれまでも問題解決が求められたことばかりです。問題なのは、これらの課題を政府がコロナの結果起こったと、「コロナのせいだ」と問題を矮小化していることです。コロナ禍の結果発生した問題とするのではなく、もともとあった問題がコロナの結果、より深刻になったと自覚すべきです。そうでなければ抜本的に対処していくことができません。あるいは、一定程度の感染抑制は可能となってもコロナがなくなるわけではありませんから、コロナ禍であってもこれらの問題を強力に解決していくことが必要であるように思います。
コロナ禍の中での支援はもちろんのこと、そもそも構造的とも思える今の状況を今回の第6波の来襲を予見しながらも軽視したように、第6波収束後、その後の第7波襲来についてきちんと準備をしていただくことが重要です。今回のオミクロンが終息したあと、果たして次の第7波を政府、国民全体が軽視し、今回とおなじことを繰り返さないように求めたいと思います。
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