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農政:迫る食料危機 悲鳴をあげる生産者

【迫る食料危機】政党インタビューを踏まえて 道程の差や目的は同じ 力結集し国民運動に 谷口信和東京大学名誉教授2022年8月10日

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ロシアのウクライナ侵攻などで食料危機が叫ばれる中、食料安全保障の強化に向けて何を議論すべきか、谷口信和東大名誉教授による自民党、立憲民主党、共産党の国会議員へのインタビューをシリーズで伝えてきた。3人へのインタビューを通して何が読み取れたのか、また、改めて日本はこれから農政の課題にどう向き合うべきか、谷口名誉教授から寄稿してもらった。

谷口信和 東京大学名誉教授谷口信和 東京大学名誉教授

印象深かった点

インタビューのテーマとして筆者が提案したのは「食料安全保障の新たな理念の確立と食料・農業・農村基本法の抜本的な改正・新たな農政の方向を考える」だった。三人のお話しから印象に残った点を一つだけあげることにしたい。

山田俊男議員(自民):規制改革推進会議廃止と農業者の自律的運動。
逢坂誠二議員(立民):地域(農業)の目線を起点にした多様な主体による土地利用の追求。
紙智子議員(共産):新自由主義的路線の根本的な転換と農家の営農継続の保証。

驚いたのは筆者だけではあるまい。少なくとも食料自給率を大幅に引き上げ、農業者が安心して営農できる条件を創り出し、食料安全保障を確保しようという志をもった政治家ならば、党派を超えて目指すところに大差がないからだ。

考えてみれば当然である。沈着冷静な政治家ならば、このご時世に食料自給率を引き上げることに反対することはいくらなんでもできないだろう。また、異常気象が世界中の至るところで、日本の各地で頻発している状況の下で地球温暖化に疑いを抱き、CO2削減に無頓着でいられるはずがない。だからこそ、「みどりの食料システム法」は衆参両院の全会一致で可決されたのであろう。

だとすると、たどり着く目的地に大きな差がない中で、ありうる唯一の違いはルートの差となるだろう。そこで、食料安全保障のコアとなる「食料自給率」向上を実現する上で避けて通ることのできない三つの課題について以下のように提案したい。国会内外でぜひとも広範な国民的な議論を戦わせていただき、少しでも歩み寄れるルートを探索して目的地に到達する国民的な運動を巻き起こすことを期待したい。

食料自給率向上のカギを穀物自給率向上に

第1は食料自給率向上のカギを穀物自給率の飛躍的な向上に据えることである。穀物自給率向上は水田農業を基本とする日本農業においては飼料用米の飛躍的拡大を主とし、条件に応じて子実トウモロコシを活用することが有意義である。食料供給(需要)における畜産物の意義の拡大に対応していない飼料用を含む穀物自給率の極端な低位性(29%)が日本の食料自給率の低位性(38%)の根源にあることを直視すべきである(主食用米自給率98%、主食用穀物自給率61%)。その上で、各種の品目別自給率の向上を目指すことにしたい。

耕作放棄地全面的復旧の国民運動を

第2は耕作放棄地42万haの全面的復旧の国民運動を起こすことである。耕地を減少させながら穀物自給率・食料自給率向上を実現することは絶望的に困難だという現実を踏まえ、大区画・高規格農地への復旧・改良だけでなく、あらゆる種類の耕作放棄地の活用の方途(放牧から市民農園的利用まで)を探求することが必要である。その際、土木事業を通じた本格的な復旧だけなく、ボランティアの活躍に依拠するような復旧も重要だろう。

農業者への直接支払い実現を

第3は農業従事者(家族経営主の農業所得、雇用就農者の賃金)の所得・賃金補償を直接支払いで実現することである。エッセンシャルワーカーの賃金水準が著しく低いことが日本経済の内需主導型発展を妨げている一大要因であるとすれば、その低賃金水準を担保するものとしての「安い食料」を輸入で調達することが追求されてきた歴史に終止符を打ち、所得・賃金水準の上昇による内需主導型経済発展へ軌道修正すべきである。

そして、以上の課題の実現を担保すべく、5~10年を単位とする予算システムを導入して、農業政策の持続性を確保することが重要である。これらの核となる政策内容はすでに欧米諸国で実現されているものに他ならず、わが国でもそれを採用する政治的な意思があれば国民的な合意を得ることが困難だとは思えない。歴史的な転換点にあたっては日本国民の総意で新たな道を選択することが求められるものであろう。

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