東証一部銘柄に上場 カネショウが記念パーティ2014年10月22日
アグロカネショウ(株)(本社:東京都港区、櫛引博敬社長)は平成26年9月16日東京証券取引所第一部銘柄に指定された。これを記念し10月17日、ホテルニューオオタニで記念パーティを開催した。
会場には、林前農水相をはじめ、会員販売店、農薬原体・製剤メーカー、原材料メーカー、金融機関、株主、取引先など、多数の関係者がお祝いに駆けつけた。
櫛引社長は冒頭のあいさつで、同社の今日に至るまでの歴史を振り返った。同社は先代の櫛引大吉社長が1951年に1人で始めた会社である。2000年に東証二部上場、この時期に同社の主力製品「バスアミド」の食用作物への登録承認、防ダニ剤「カネマイト」の市場投入で、業績がさらに伸びた。
2003年に同社の海外戦略の拠点として、ベルギーに設立したKST社を通じ、同社の主要製品である土壌消毒剤「バスアミド」(ダゾメット剤)及び「D-D」の全世界での営業権をドイツBASF社から取得した。2010年には自社開発の土壌消毒剤「ネマキック」を市場投入し土壌消毒剤事業の積極的展開を図ってきた。
同社の主力生産工場だった所沢の生産部門を総て福島工場に移転、所沢に最新設備の研究所を建設し、飛躍の体制を整え、次は上場という矢先の2011年3月11日に東日本大震災に遭遇した。
福島工場は海岸に面していたが、海抜10m近くの立地に建てられており、津波の被害は深刻ではなかったが、東電福島第1原発から1kmに位置していたため、放射能被害に直撃された。
櫛引社長は「福島工場は、帰還困難区域に指定された。原発事故はメーカーの生命線である自社生産能力の約90%、売上の約40%を一瞬にして奪った」と、当時の苦難に充ちた状況を振り返った。
東証一部上場については「震災から立ち直ったアグロカネショウを世の中の人々に見てもらう必要があると考え」上場申請を行ったと説明した。
同社のモットーは「どこまでも農家とともに」。全国で80人を配するTCA(※)の役割は、「単に農薬を売るのではなく、農薬を使いこなす技術を売る営業の確立」だ。農家に喜んで農薬を買ってもらうには、農家の身になって農家に役立つ技術を販売すること、そうした企業姿勢で同社は今後、100年企業を目指し新たな一歩を踏み出していく。
(写真)
櫛引社長
【TCA】
テクニカル&コマーシャル・アドバイザーの略。生産者から農家経営などの悩みや要望を聞き、同社の持つ知識や技術でアドバイスする、同社独自の活動を行う職員。
(関連記事)
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