ブラジルにおける農業資材直販事業拡大へ Nativa社を買収 住友商事2022年7月20日
住友商事は、ブラジル中西部で農業資材直販事業を手がけるAgro Amazonia Produtos Agropecuários S.A.(アグロ・アマゾニア)を通じて、ブラジル南東部で同事業を手がけるNativa Agronegócios & Representações LTDA.と、Nativa Agrícola e Representação LTDA.(Nativa)を完全子会社化することで、Nativaの既存株主と合意した。関係当局の許認可取得後、2022年度中に買収完了を予定している。
ブラジル マットグロッソ州 クイアバのアグロ・アマゾニア
2000年に設立された農業資材直販会社のNativaは、ブラジル南東部ミナスジェライス州に計8店舗を展開し、肥料の製造設備を保有している。同州は大豆やトウモロコシに加え、中小規模の農家を中心にコーヒーや果樹・野菜の栽培・種子生産が盛んな地域。Nativaは、肥料製造機能を持つ強みを生かし、顧客のニーズに応じた独自の商品開発・製造・販売や、アグロノミスト(農業生産技術知識を持つ販売員)による営農支援を通じて、地域に根差した強固な顧客基盤を築いている。
一方、アグロ・アマゾニアは1983年に設立され、中西部マットグロッソ州を中心としたブラジル8州で50店舗を展開するブラジル中西部の農業資材直販会社。住友商事は、2015年に出資、2018年に完全子会社化した。現在では、畜産農家や1000~1万ヘクタールを超える大規模な大豆・トウモロコシ農家を中心に約2万軒の顧客基盤を構築し、2015年当時から売上高は約5倍以上に拡大するなどブラジル最大級の農業資材売上を誇る。
住友商事は今回の買収に伴い、ブラジルにおける販売地域を拡大。また、アグロ・アマゾニアが築いてきた農業資材サプライヤーとの強固な関係に基づく豊富な商品ポートフォリオとNativaが持つ肥料開発・製造機能や新たな顧客セグメントとを相互に連携させ、さらなる事業成長をめざす。
住友商事は、中期経営計画「SHIFT 2023」の中で、「農業」を次世代成長戦略テーマに、「農業資材直販事業」を注力分野の1つに位置付けている。農薬分野では、1970年代に農薬輸出事業を始め、現在では海外37か国で輸入卸売販売事業を展開。また、欧州では農業資材直販事業基盤を獲得することでバリューチェーンを拡大してきた。一方、肥料分野でも1950年代に肥料原料の輸出入事業を開始して以降、日本国内やアジア・オセアニア地域を中心に、原料輸入から製造、農家への直販まで一貫した事業基盤を構築している。

同社は、これまでに培った農業資材分野の知見を事業拡大に生かし、各国・地域の農業事情に寄り添った製品とサービスの提供を通じて、世界の安定的で持続可能な食料生産と、地域社会と産業の発展に貢献する。
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