グリホサート市場 2035年末までに最大180億米ドル収益獲得を推定2023年4月20日
市場調査会社のResearchNester(米ニューヨーク)は4月3日~9日、グリホサート市場に関する調査を実施。世界のグリホサート市場は、2023~2035年までの予測期間中に、最大6%の年平均成長率(CAGR)で成長し、2035年末までに最大180億米ドルの収益を獲得すると推定される。
グリホサートは、穀物、穀類、豆類、果物、野菜、塊茎とその他の作物など幅広い作物の雑草を防除する特性により、農業産業で利用されている化学製剤。さらに、都市化の進行に伴い、芝生、芝生、スタジアム、遊び場の数も増えており、雑草を防除してグラウンドを維持するためにグリホサートの需要は高まっている。
グリホサート市場は2022年に約100億米ドルの収益を生み出した。同調査によると、世界のグリホサート市場は、2023~2035年までの予測期間中に、最大6%のCAGRで成長し、2035年末までに最大180億米ドルの収益を獲得すると推定。予測期間中の市場拡大の主な成長要因は、グリホサートが農業の重要な部分で、世界中でさまざまな目的のために農地が大量に使用されている。世界銀行のデータによると、2018年の世界の総農地は総土地の36.9%を占めた。
市場成長の牽引要因
急増する人口とそのニーズを満たす食品に対する需要の増加により、農業目的のグリホサートの売上が増加すると予想される。世界銀行によると、世界人口は2021年に78.4億人に達し、2050年には100億人になると予想されている。
グリホサート市場の課題
同市場に関連する課題は、環境への有害な影響が挙げられる。グリホサートは、雑草やその他の物質を除去することに役立つが、消費後に環境や人間に有害な有毒成分で製造されている。この傾向は、今後数年間でグリホサートの利用率を妨げると予想される。また、規制基準の欠如、生産過程で発生する追加費用なども挙げられる。
市場分類
世界のグリホサート市場は、農業、家庭用、産業用などのアプリケーション別に需要と供給について分割および分析されている。これらのうち、農業セグメントは、食品と農産物に対する高い需要と、農業における大きな雇用シェアを背景に、2035年までに最大の市場シェアを獲得するとみられる。また、グリホサートは、「植え付け前」から「植え付け後」まで、農業のあらゆる段階で使用されている。
作物の種類別
世界のグリホサート市場は、遺伝子組み換え作物と従来の作物に分けられ、作物の種類ごとの需要と供給についても分析。これら2つのセグメントのうち、遺伝子組み換え作物セグメントは、評価期間の終わりまでに最大のシェアを保持するとみられる。遺伝子組み換え作物は、高度な除草剤や殺虫剤を必要とする植物細胞に新しいDNAを導入することによって栽培されることから、グリホサートの必要性は、遺伝子組み換え作物の栽培に注目が集まるにつれて増加している。
今後の成長が予想される地域
アジア太平洋地域のグリホサート市場は、他のすべての地域の市場の中で、2035年末までに最大の市場シェアを保持すると予測されている。インドにおける農業雇用のシェアは、グリホサートの採用と市場の成長の主要な成長要因。高い雇用率は、この地域における農業の優位性を意味し、農業および農業プロセスにおけるグリホサートの高い採用率が予想される。インドの全体的な農業雇用は、2018~2019年の37%から、2019~2020年には38%に増加。
一方、北米の市場も、予測期間中に大きな市場シェアを保持すると予想。遺伝子組み換え作物に対する嗜好の高まりとともに、近代的な農産物の使用の増加は、今後数年間の市場拡大の主な要因になるとみられる。さらに、急速に成長している農業部門と土壌改良のためのグリホサートの必要性も、市場拡大に積極的に貢献すると予想される。
グリホサート市場の主要企業は次の通り。
SyngentaCropProtectionAG、BayerAG、DuPontdeNemours,Inc.、TheDowChemicalCompany、NufarmLimited、NantongJiangshanAgrochemical&ChemicalsLimitedLiabilityCo.、ADAMAAgriculturalSolutionsLimited、UPLLimited、INDIA、AmericanVanguardCorporation、CortevaAgriscience
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(94) -みどりの食料システム戦略対応 現場はどう動くべきか(3)-2024年5月18日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(11)【防除学習帖】 第250回2024年5月18日
-
土壌診断の基礎知識(20)【今さら聞けない営農情報】第250回2024年5月18日
-
出生率低下が心配【消費者の目・花ちゃん】2024年5月18日
-
農政 変わるチャンスへ動く年に JA全青協通常総会2024年5月17日
-
新執行部の決意示す JA全青協が記者会見で抱負2024年5月17日
-
【注意報】小麦、六条大麦、二条大麦に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 栃木県2024年5月17日
-
【注意報】果樹全般にカメムシ類 県内全域で多発のおそれ 大阪府2024年5月17日
-
コメ・水田農業の将来に危機感示した渡辺会長【熊野孝文・米マーケット情報】2024年5月17日
-
【注意報】茶に炭疽病 県内全域で多発のおそれ 長崎県2024年5月17日
-
生命と財産守る活動 一歩ずつ前に JA共済優績組合表彰式 JA共済連2024年5月17日
-
(384)本当の「不平等状態」改正【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年5月17日
-
契約実行高、当期純利益で過去最高を更新 2024年3月期決算 JA三井リース2024年5月17日
-
【JA人事】JA帯広大正(北海道)森和裕組合長を再任(5月16日)2024年5月17日
-
北海道HACCP「食の安全にこだわる2024」発行2024年5月17日
-
濃厚マンゴーと相性抜群のスイーツが登場 自由が丘「一果房」で17日から 青木商店2024年5月17日
-
スマート農業システム開発のディーピーティー「JAGRI KYUSHU」に出展2024年5月17日
-
「マッスルスーツ」累計出荷台数が3万台を突破 イノフィス2024年5月17日
-
米・米粉の可能性を広げるBtoB展示会を9月に開催 cotta2024年5月17日
-
農薬出荷数量は6.8%減、農薬出荷金額は3.0%減 2024年農薬年度3月末出荷実績 クロップライフジャパン2024年5月17日