世界の食料課題解決へ 協力のための新プラットフォーム「Shoots by Syngenta」 シンジェンタ2023年4月24日
シンジェンタグループは単収向上など世界の食料課題の解決に向けイノベーションを加速させるため研究者やスタートアップ企業などの協力を促すプラットフォーム「Shoots by Syngenta」を立ち上げ、4月21日、同社の研究部門グローバル責任者のカミラ・コルシ氏が来日してメディア向け説明会を開いた。
研究部門グローバル責任者のカミラ・コルシ氏(左)と的場稔シンジェンタジャパン代表取締役社長
的場稔シンジェンタジャパン代表取締役社長は「Shoot」の意味について「芽生える」の意味と説明、「Shoots by Syngenta」は世界の食料生産の課題解決に向け「イノベーションを加速させる場を提供するプラットフォーム」と話した。
3月に立ち上げてから説明の場を設けたのは日本が初めてで世界の小規模生産者の生産性向上をサポートすることが世界の食料増産に求められているなか、「日本はポテンシャルが大きい」と期待する。
このプラットフォームは研究者、研究機関、スタートアップ企業、業界をつなぎ、シンジェンタの世界119か所の研究開発拠点と5000人を超える科学者との連携を促すことで、独創的なアイデアを生み出すことをめざす。
プラットフォーム(shootsbysyngenta.com)に入り、定型入力フォームに従ってアイデアなどを提案、同社の方針などと合致すればさらに詳細な協議のためのステップに進む。日本の研究者、スタートアップ企業などと世界各地のシンジェンタの研究者と直接つなげて研究の進展に結びつける。
カミラ・コルシ氏は2050年までに解決しなければならない課題として人口の増加にともない現在より45%増のカロリー生産が求められるが、22%が農業由来のGHGガスの排出抑制、生物多様性の維持のほか、1.2億人の小規模で貧困に苦しむ農業者の解決も課題だとした。
そのために小規模農業者の収量増加が重要で「農薬なしでは50%生産量が落ちる」ことをふまえ、既存の防除体系をコアとしながら、生物由来の農薬などバイオコントロールと、土壌の健全化も含めてベストプラクティスを構築することが重要になると強調した。
同社は当面焦点となる分野として作物保護に寄与する新規化学成分、効果の裏づけられた生物的資材、種子などを挙げている。
2013年から19年にかけて上市された新規農薬のうち「33%は日本から生まれた」として日本の農業や研究に期待を寄せている。
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