農薬:防除学習帖
野菜の病害防除9【防除学習帖】第55回2020年6月12日
7.褐斑病
(1)病原菌
ア.菌種
病原菌(Corynespora、Cercospora)は、不完全菌類に属する糸状菌(かび)である。高温での発生が多く、大量の分生胞子で増殖する。
イ.病徴
葉に発生し、淡褐色~褐色の円形や不整形の斑点を形成することが多い。
症状については、作物ごとに異なるので、下記、「野菜の主な褐斑病・斑点病とその生態」に概略を記したので参照してほしい。
ウ.被害
葉に発生した病斑により、光合成阻害や葉の活力低下をまねき、生育不良、収量・品質の低下を引き起こす。
※表をクリックすると拡大してご覧いただけます(PDF)
(2)生活環
被害植物、あるいは栽培用の生産資材に付着して越冬し、翌年病斑から大量の分生胞子を発生させ拡散する。
(3)防除法
ア.耕種的防除
(1) 被害残渣を畑に残さず、ほ場外に出して処分する。野焼きが可能な地域ならば焼却処分する。
(2) 胞子を拡散させないようにするため、早期発見を心がけ、病斑を見つけたらできるだけ速やかに取り除く。
イ.化学的防除
(1)効果のある有効成分
主要な効果のある有効成分は以下のとおりである。
効率的に防除するには、予防効果のある薬剤の定期散布を基本とし、病害が発生したら、発生初期のまだ病害が少ないうちに治療効果のある薬剤を使用して徹底防除を行うとよい。
「病害蔓延後に使用しても効果が期待できる治療剤は無い」と考え、早め早めの予防剤あるいは治療剤に予防剤が混合された剤によるローテーション散布が最も重要である。
(3) 作物別有効薬剤
褐斑病に登録のある農薬の使用方法、適用作物を別表に示したので参考にしてほしい。
表は選択する際の参考となるよう最小限の情報のみを記載しているので、実際の使用にあたっては、事前に農薬ラベルをよく確認して使用してほしい。
本シリーズの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。
【防除学習帖】
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】カンキツ類に果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 高知県2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(1)2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(2)2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(3)2025年10月17日
-
25年度上期販売乳量 生産1.3%増も、受託戸数9500割れ2025年10月17日
-
(457)「人間は『入力する』葦か?」という教育現場からの問い【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年10月17日
-
みのりカフェ 元気市広島店「季節野菜のグリーンスムージー」特別価格で提供 JA全農2025年10月17日
-
JA全農主催「WCBF少年野球教室」群馬県太田市で25日に開催2025年10月17日
-
【地域を診る】統計調査はどこまで地域の姿を明らかにできるのか 国勢調査と農林業センサス 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年10月17日
-
岐阜の飛騨牛や柿・栗など「飛騨・美濃うまいもん広場」で販売 JAタウン2025年10月17日
-
JA佐渡と連携したツアー「おけさ柿 収穫体験プラン」発売 佐渡汽船2025年10月17日
-
「乃木坂46と国消国産を学ぼう!」 クイズキャンペーン開始 JAグループ2025年10月17日
-
大阪・関西万博からGREEN×EXPO 2027へバトンタッチ 「次の万博は、横浜で」 2027年国際園芸博覧会協会2025年10月17日
-
農薬出荷数量は0.5%増、農薬出荷金額は3.5%増 2025年農薬年度8月末出荷実績 クロップライフジャパン2025年10月17日
-
鳥取県で一緒に農業をしよう!「第3回とっとり農業人フェア」開催2025年10月17日
-
ふるさと納税でこどもたちに食・体験を届ける「こどもふるさと便」 IMPACT STARTUP SUMMIT 2025で紹介 ネッスー2025年10月17日
-
全地形型プラットフォーム車両「KATR」、レッドドット・デザイン賞を受賞 クボタ2025年10月17日
-
農業分野初「マッスルスーツSoft-Power」と「COOL-VEST」を同時導入 イノフィス2025年10月17日
-
伝統のやぐら干し「産直大根ぬか漬けたくあん」がグッドデザイン賞受賞 パルシステム2025年10月17日
-
鳥インフル 米モンタナ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年10月17日