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農薬:防除学習帖

トマト病害虫雑草防除のネタ帳 べん毛菌類の防除③【防除学習帖】第172回2022年10月22日

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現在、防除学習帖では病原菌の種類別にその生態や防除法を紹介している。今回は、べん毛菌類の最後、苗立枯病を紹介する。

1.トマト苗立枯病の発生生態と被害

病原菌は、Pyhium sp. というべん毛菌類に属する糸状菌(かび)であり、高温(28~30℃)で水滴のある湿潤条件を好む菌である。無消毒の苗床など、土壌中に存在する卵胞子が発芽、感染して病害を起こす。発芽時や発芽間もない頃から発生し、発芽不良や苗立枯を起こす。地際部の茎に水浸状の病斑をつくり、やがて軟化腐敗して倒伏する。多湿時には、病斑の表面に白色の菌糸を生じる。苗を台無しにして被害も大きいので、苗を自己育成している場合は防除が必須である。

2.耕種的防除法

(1)温度
徒長していない、がっしりとした良いトマト苗を育てるには、日中25~30℃、夜間10℃~15℃で管理するのが良いとされている。苗立枯病の発生リスクを低くする温度を病原菌の多発条件から考えると、日中25℃、夜間10℃で管理できるとベストである。温度設定ができる育苗施設であれば問題ないが、一般のパイプハウス等で育苗する場合は、できるだけこの最適条件に近づけるような管理を行うことで発病リスクを減らすことができる。

(2)湿度
湿度が高いと苗立枯病が発生しやすくなるので、育苗施設の湿度を下げることで病害の発生リスクを低下させることができる。

(3)育苗用土の蒸気消毒
病原菌は、土壌に存在する耐久体(卵胞子)が発芽することによって発生する。蒸気消毒は、この耐久体を60℃・10分以上の温度をかけて菌を死滅させる方法である。蒸気処理機によって方法は異なるが、シート上に蒸気を噴出するパイプを置き、その上に育苗用土を積み上げてビニル被覆し、蒸気をパイプに流して消毒する。土壌の温度をまんべんなく60℃以上にすることが重要である。

3.薬剤防除

(1)土壌消毒剤による育苗用土の消毒
土壌に潜む病原菌の耐久体を死滅させる方法であり、クロールピクリンやクロピクテープ、クロルピクリン錠剤で育苗用土を消毒できる。クロールピクリンの場合、育苗用土を30cmの高さに積み上げてビニル被覆し、被覆の上から30cm×30cmごとに1穴・2~3mlを注入する。クロピクテープの場合、積み上げた育苗用土1㎡あたり2.2mのテープ状の錠剤を埋設してビニル被覆する。クロルピクリン錠剤の場合30cm×30cmに1錠の割合で錠剤を埋めてビニル被覆する。

いずれも、所定の時間(1週間程度)終了後、被覆をはがして消毒済の用土を使用する。クロルピクリンは、被覆期間終了後のガス抜き作業は不要であることが多いが、臭気が残っているような場合は必ずガス抜きを行ってから使用する。また、処理期間中に臭気が出ることがあるので、処理場所での換気を心掛け、周辺に関係者以外が立ち入らないように処置を必ず行う。このあたりの注意事項は製品ラベルでよく確認すること。

トマト苗立枯病(ピシウム菌)-に適用のある土壌消毒剤とその使用方法

(2)種子処理
種子に薬剤をまぶして播種することで、播種後の苗に病原菌が感染するのを防ぐ。オーソサイド水和剤(粉状)を規定量まぶして使用する。種子全体にまんべんなく薬剤が付着するように処理することが重要である。
詳細な使用方法については、製品のラベルをよく読んで指示通りに実施すること。

トマト苗立枯病(ピシウム菌)-に適用のある種子消毒剤とその使用方法

(3)土壌灌注処理
オーソサイド水和剤80は、希釈液を所定量、セルトレイや苗ポットに灌注して使用する。

トマト苗立枯病菌(ピシウム菌)-に適用のある土壌灌注処理剤とその使用方法

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