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農薬:サステナ防除のすすめ2025

かんきつは事前予防(2)発生予報、見逃さず【サステナ防除のすすめ2025】2025年5月19日

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サステナ防除の実現には「リスク管理」の考え方が有効である。「リスク管理」がうまくできることによって、効果的で無駄のない、そして環境負荷を少なくした、病害虫対策が実現できる。かんきつの防除を考える。

かんきつは事前予防

3.「リスク管理」を推進するための「防除暦」を使うコツ

防除暦はよく考えて作られている。しかし、防除暦通りの対応ではどうしても対応が後手にまわりがちになる。気象条件の違いが生育や病害虫の発生の早晩も影響してくる。雨が降り続ければ、栽培管理が遅れ、薬剤散布はできない。結果的に対応が手遅れになってしまう。

適期防除が重要であることはもちろんである。しかし、防除が適期に、適切に実施できないのが農業現場である。このため、防除暦を使いこなすコツとして大切なことは、常に今の時点よりも1週間から2週間先のことをチェックしながら考え、行動することである。つまり、防除暦に書いてあることを先取りすることが重要になってくる。

そして、何よりも大切なことは、自分の園における果樹の生育状況、病害虫の発生状況をよく観察することである。そして、防除暦と見比べ、気象予報を参考にしながら、今現在、行っている対応の足りないところを考え、補っていくことが欠かせない。そうすることによって、先手、先手の対策を講じることができ、病害虫被害を回避でき、結果的に資材、労力の無駄を省き、環境負荷を低減できる。

4.「リスク管理」には情報が欠かせない

情報には自分の園や自分のネットワークから得るものに加えて、公的機関やJAなどから発出される防除情報や発生予察情報などがある。「リスク管理」を適切に行うためにはこれらの情報は欠かせない。年次変動の大きな害虫、飛来性害虫では特に有効である。チャノキイロアザミウマの初発時期とその後の増加時期、各種カイガラムシ類幼虫の発生時期、カメムシ類の越冬量とヒノキ林などからの離脱時期(果樹園への飛来時期)など、精度の高い情報を得ることができる。

自分の園での観察結果にこれらの情報を加味することによって、発生初期に適切な対応をとることができ、その後の被害を抑制できる。カイガラムシ幼虫が分散してから、カメムシが連続して大量飛来してから、では後追いの対策になってしまい、結果的に被害が拡大するとともに、多くの資材、労力を費やすことになる。

観察必須、総合的に

5.「リスク管理」の基本は出さない(予防)、増やさない、残さない

最初に病害虫を出さなければ(発生させなければ)、その後の被害は生じない。このことはすべての病害に共通している。まず、伝染源がなければ病害は発生しない。このため、そうか病、かいよう病では冬の剪定時に発病枝梢を剪除すること、黒点病では6月以降、樹冠内の枯れ枝を剪除すること、緑かび病では9月以降、園内に散在している発病果実を運び出すこと、などを徹底する。

各病害に対する薬剤対応は次のとおりである。①そうか病、かいよう病では一次伝染源が形成されなければその後の発生が問題になることはない。このため、かいよう病では2月下旬頃からのICボルドーなどの銅剤散布、そうか病では発芽初期のデランなどの散布によって葉に発病させないことが重要になる。万が一、ここで完全に食い止めることができなかったにしても、その後の殺菌剤散布で増やさない対応ができる。②黒点病では散布した殺菌剤の耐雨性を考慮した体系散布によって、発病させないことを徹底できる。③貯蔵病害(果実腐敗)ではベンレートやトップジンMとベルクートフロアブルとの混用散布で予防できる。④褐色腐敗病では初秋季の大雨や長雨が予想される場合に、雨前にジマンダイセンやアリエッティなどを散布しておくことで予防できる。なお、⑤温州萎縮病や接ぎ木部異常病などのウイルス病では無毒苗の利用でその後の被害を予防できる。

残さない対応としては、発病枝梢の剪除や発病果実の除去など、耕種的な対策を地道に実施することが大切である。

害虫の発生源除去としては、カイガラムシ類の多発枝梢の剪除がある。主要害虫に対する薬剤対応は次のとおりである。①各種カイガラムシ類に対して4月にマシン油を加用したアプロード散布で、その後に発生する幼虫駆除を徹底する。これによって、5月下旬以降の対応が楽になる。②チャノキイロアザミウマではまず落弁期から幼果期の駆除を徹底する。その後は発生予報を活用して対応する。③カメムシ類では予察情報をチェックするとともに、園内への飛来を確認したら残効が期待できる殺虫剤を直ちに散布する。④サビダニの常発園では6月上旬から本種にも効果を有する殺虫剤を他の害虫との同時駆除剤として利用する。過去の発生が少ない園でも突発的に発生することがあるので、8月以降の果実の入念な観察が欠かせない。⑤ゴマダラカミキリ、ハダニ、ウスカワマイマイでも観察が欠かせない。

6.総合的な対策

図2に示しているように、病害虫被害を生じさせないための方法はいくつもある。その一つひとつの効果はそれほどでもなくても、それらを組み合わせることで、より安定した効果が発現する。我が国のかんきつ病害虫対策は特に薬剤に頼るところが大きい。しかし、薬剤だけで十分な効果が得られるわけではない。病害虫被害を出さないためには、薬剤の他に、いろいろの対策を組み合わせていかなければならない。「リスク管理」に基づいた総合的な対策が実施されていくことで、サステナ防除を実践することができる。

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