優越的地位の実態調査結果 フード連合2018年3月26日
・「濫用行為を受けた」が約4割
日本食品関連産業労働組合総連合会(フード連合)はこのほど「取引慣行に関する実態調査」の結果をまとめた。
調査は、取引現場における優越的地位の濫用事例を集約し「現場の声」として公正取引委員会などの関係各機関へ伝え、改善を求めることが目的で2003年から毎年行われている。調査は昨年8月から9月まで行われ、回答件数は3004件、企業数は71社に上り、いずれも昨年よりも増えている。
それによると、取引慣行における優越的地位の濫用行為について、約4割の営業担当者から「何らかの濫用行為を受けたことがある」と回答、その具体的な事例584件が寄せられた。内容は協賛金や自社製品以外の陳列の強要などが多い。とりわけ同一企業で3件以上の事例が報告されている企業では、昨年とほぼ同数の報告があったが、そのうち、新たにあげられた企業が約6割となり、一層の改善が必要という実態が浮かび上がった。
優越的地位の濫用の内容をみると「労務提供」が38.3%、「押し付け販売」が23.7%で6割以上を占める。押し付け販売で回答のあった最高金額は1万4560円で、営業担当者の約7割が「ほぼ自己負担」という結果だった。
労務提供の頻度では約4割の営業担当者が「年12回以上」と回答。また同じく約3割が「休日を含む労務提供がある」とし、時間帯ではいまだ、早朝・深夜での労務提供が多く、依然として深刻な状況にある。
大規模小売業告示に関する周知度についてみると、4割以上の営業担当者がその存在を「知らない」と答え、告示の周知度アップが求められる。さらに告示に示されている「優越的地位の濫用行為の内容」(10の禁止行為)についても半数以上が「知らない」と回答。
そのうち「まったく知らない」が32.4%を占めた。
フード連合ではこうした調査を続けることで、依然として改善が進まない「わが国の取引慣行に潜む負の部分」の是正を求め、その改善と健全化に努める考えだ。
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