協賛金要請が3割超に 食品産業センターの取引慣行調査2020年7月31日
一般財団法人食品産業センターがこのほどとりまとめた「食品産業における取引慣行の実態調査」の最新版によると、小売店と納入業者との間で従来から問題視されている「協賛金」名目の協力要請が「あった」とする回答が3割を超え、長らく続いた減少傾向から増加に転じた前回調査とほぼ同様の結果を示した。ディスカウントストアやドラッグストアからの協力要請が多いことが分かる。
東京商工リサーチのデータに基づく食品製造業1700社を対象にアンケート方式で今年2月に行われた調査で、回収した475社の回答中、有効回答298社(17.5%)分の回答を分析したもの。
平成19年度のピーク以降減少傾向だった協賛金名目の協力要請が最近1年の間に「あった」としたのは、前回の平成30年度調査で前年比4.2ポイント増の32.0%と増加に転じ、今回もほぼ同様の32.1%となった。
協賛金の協力要請を行った小売業のうち、ディスカウントストア(46.5%)とドラッグストア(41.6%)の2つが4割を超えている。大型総合スーパー(30.6%、8.3ポイント減)で大きく減少した一方、通信販売(22.6%、9.0ポイント増)やディスカウントストア(46.5%、4.2ポイント増)などでの増加が目立つ結果になった。
要求された協賛金の種類で最も多いのは全体のおよそ6割を占めた「チラシ協賛金」(59.3%)で、「新製品導入協力協賛金」(46.3%)や「新規(改装)オープン協賛金」(40.4%)などが続いている。前回の結果との比較では「新製品導入協力協賛金」が6.0ポイント増と上げ幅では最多になり、「その他」を除いた小売店の業態別では、「コンビニエンスストア」(76.9%)が前年から16.2ポイントも増えている。
協賛金要求に対する対応の仕方で最も多かったのは「ケースバイケースで応じている」とする回答で、前年と比べると2.3ポイントの微増。「全て応じざるを得ない」と「ほとんど応じている」の合計は39.0%とほぼ4割を占め、前回の調査結果から微減(0.4ポイント減)した。反面、「全く応じない」と「ほとんど応じていない」の合計は3.4%と今回も少なく、対前年比は1.9ポイント減少している。
納入業者にとっては避けたい「不当な値引き」や「買いたたき」についても尋ねている。前者で「あった」としたのは全体でみると5.8%で前年からは2.4ポイント減少した。ただし、ディスカウントストア(11.3%)とドラッグストア(10.7%)はいずれも1割を超えている。
「特売商品等の買いたたき」が「あった」としたのは7.4%で、前年比4.7ポイントの減少。不当な値引きで多数を占めた2つの業態(ドラッグストア=13.3%、8.8ポイント減、ディスカウントストア=15.9%、6.2ポイント減)に加え、コンビニエンスストアも5.6%(6.9ポイント減)や生協=4.1%(6.2ポイント減)も回答の上位に顔を見せている。
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