9割が「消費者との関係性構築」重視 生産者の災害対策に関する調査 ポケットマルシェ2021年2月5日
生産者と消費者をつなぐ国内最大級の産直アプリ「ポケットマルシェ」を運営する(株)ポケットマルシェは、東日本大震災の発生から10年を迎えるにあたり、全国の生産者157人を対象に調査を行い、農林水産業に関する生産者の災害対策状況をまとめた。
調査の結果から、9割以上の生産者が「消費者との関係性を深めること」が災害対策につながると考えており、関係性を深めることが災害時のレジリエンス(復元力)強化にもつながると認識していることがわかった。さらに、被災経験のある生産者の約5割が消費者との関係性に助けられた経験があり、そのうち3.6割はポケットマルシェを通じて出会った消費者に助けられたと回答。また、災害時に生産者同士の関係性に助けられた経験があると回答した生産者は4割以上にのぼった。
同社は、東日本大震災時に見られた生産者と消費者がお互いに助け合う「共助の関係」を、平常時から生み出すことをめざして始めた企業。災害対策ではハウスの強靭化などのハード面が強調されがちだが、自然災害が頻発し想定外の事態が相次ぐなか、平常時から緊急時に助け合える関係性を構築していくことの重要性は高まっていると考えている。
同調査からは、生産者が消費者との関係性構築を重視しており、関係性を構築することで災害時に支援が得られている実態がうかがえる。
生産者の9割が災害対策として「消費者との関係性構築」を重視
被災経験について
生産者の約3割(26.8%)が東日本大震災による被害を、約6割(61.1%)が震災以外の自然災害による被害を受けた。東日本大震災の被害内容としては、原発事故による風評被害などで販売(出荷制限など)における被害が85.7%と最多。東日本大震災以外の自然災害による被害の内容としては、生産(生産物・施設・機械の損壊など)が89.6%と最多。
災害時の支援経験
被災経験のある生産者の約半数(46.5%)が、ボランティア活動や応援消費などを通じて「消費者との関係性」に助けられた経験があるほか、約4割(42.9%)が、復旧・復興の手伝いや情報交換などを通じて「生産者同士の関係性」に助けられた経験がある。東日本大震災を含む自然災害による被害を受けた生産者のうち、46.5%が「消費者との関係性」に助けられた経験があると回答。具体的には、復旧・復興のボランティア活動や、次期作の予約や継続的な商品購入など応援消費が挙げられた。
また、42.9%が「生産者同士の関係性」に助けられた経験があると回答。具体的には、土砂の運び出しや農機具の貸し出しなどの復旧・復興作業の手伝い、補助金の申請方法や販売先に関する情報交換などが挙げられた。
5割が災害時に消費者に助けられたと回答
災害対策への意識
9割以上(92.4%)の生産者が災害対策を重視。内訳は「とても重視している」が56.7%、「やや重視している」が35.7%。また、9割以上の生産者が、日頃から「消費者および生産者と関係性を深めること」は災害対策につながると認識。「消費者と直接つながり関係性を深めること」を重視する生産者は93.6%、「生産者同士でつながり関係性を深めること」を重視する生産者はさらに多く96.8%にのぼる。
ポケットマルシェ利用時の「関係性」への意識
9割以上の生産者が、ポケットマルシェ利用時に「消費者との関係性を深めること」を重視。「とても意識している(59.9%)」「やや意識している(34.4%)」と9割以上の生産者が、ポケットマルシェ上で消費者との関係性を深めることを意識している。また、「生産者同士の関係性を深めること」を意識している生産者は(46.5%)と、販売者である生産者同士がつながる場としても機能していることがわかった。
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