食品ロス削減へ園児がコンポストに挑戦 明日葉保育園2021年8月23日
株式会社あしたばマインド(東京都港区)が運営する明日葉保育園は、園児が環境に関連するSDGsの課題を自ら考え、楽しく体験できる取り組みとして、明日葉保育園大倉山園で、食品ロスの削減に向けて「コンポスト」を始めた。給食の残菜が栄養豊富なたい肥に変わることをめざし、園児らがコンポストに7月5日から取り組んでいる。
保育園で毎日出る給食の残菜を活用するために始まったコンポストの取り組み。園児らは当番制で毎日、給食室から残菜を受け取り、コンポスト容器に入れてシャベルで混ぜる。これを、2か月間繰り返した後、3週間発酵させると、栄養たっぷりのたい肥が完成する。完成したたい肥は、子どもたちの野菜栽培に活用することで、資源の循環を体験し食育につなげる。
大倉山園では、担任の先生がSDGsのゴール"世界を変えるための17の目標"について、日頃から子どもたちに話している。コンポストの実施は、これまでの取り組みによってSDGsの意識が浸透してきた子どもたちに向けて、もっと日常的にSDGsを考えられる取り組みをしようと同園の古屋先生と原田先生のアイディアから始まった。
大倉山園の原田先生(左)と古屋先生
取り組みを始める際、保育士の先生が給食の残菜を使って、たい肥を作ることを説明すると、子どもたちから「これってSDGsじゃない?」という声があがった。その後も、SDGsのゴール"世界を変えるための17の目標"についての説明を見ながら「SDGsの2番じゃない?」「12番にも当てはまりそう!」などと話し合いが始まった。子どもたちがSDGsについて理解し、自主的に考えるようになったことから、これまでのさまざまな取り組みの効果が見えたという。
大倉山園は、子どもたちが楽しめるSDGsの取り組みとして、異文化体験プログラム「あしたばドア」で子どもたちが環境問題について学んでいる。タイの川の汚染について学んだ際は、きれいな飲み水を作るためにはどうすればいいのか、子どもたちで調べ、手作りのろ過装置にたどり着き、ペットボトルに脱脂綿や小石、砂利、活性炭などを詰め、泥水をろ過する実験を行った。
また、高知県大川村で行われている「どんぐり銀行」は、どんぐり100個で苗木1本と交換、もしくは大川村に植樹される取り組み。園児たちは、秋になるとお散歩でたくさんのどんぐりを拾って持って帰ってくるため、大量のどんぐりを「どんぐり銀行」に預け、大川村の植樹に貢献した。このほか、子どもたちのサイズが合わなくなった服を募り、同園の夏祭りの「リサイクルコーナー」から自由に持ち帰ってもらう取り組みを実施。残った服は、発展途上国のワクチン寄付につながる慈善団体に寄付し、保護者も巻き込んだSDGsの取り組み行っている。
保育園でSDGsに取り組む意義について、古屋先生と原田先生は「幼児期からSDGsの課題を考え体験することで、今後の成長過程で一人一人がSDGsを意識した選択を行ってくれると思う。子どもたちが、これからの時代に不可欠なSDGsの課題を当事者として理解することが、持続可能な社会を築いていくことにつながる」と話している。
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】ブロッコリーの黒すす症状 県内で初めて確認 愛知県2025年7月3日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 富山県2025年7月3日
-
【注意報】花き類、野菜類、ダイズにオオタバコガ 県内全域で多発のおそれ 愛知県2025年7月3日
-
【注意報】ネギ、その他野菜・花き類にシロイチモジヨトウ 県下全域で多発のおそれ 富山県2025年7月3日
-
【注意報】りんご、なしに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 宮城県2025年7月3日
-
【注意報】ねぎにシロイチモジヨトウ 県内全域で多発のおそれ 宮城県2025年7月3日
-
【注意報】セイヨウナシ褐色斑点病 県内全域で多発のおそれ 新潟県2025年7月3日
-
【注意報】いね 斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 山形県2025年7月3日
-
米生産に危機感 高温耐性品種など急務 日本作物学会が緊急声2025年7月3日
-
【人事異動】農水省(7月4日付)2025年7月3日
-
花産業の苦境の一因は生け花人口の減少【花づくりの現場から 宇田明】第63回2025年7月3日
-
飼料用米 多収日本一コンテストの募集開始2025年7月3日
-
米の民間在庫量 148万t 備蓄米放出で前年比プラスに 農水省2025年7月3日
-
【スマート農業の風】(16)温暖化対応判断の一助にも2025年7月3日
-
令和7年度「家畜衛生ポスターデザインコンテスト」募集開始 農水省2025年7月3日
-
農業遺産の魅力発信「高校生とつながる!つなげる!ジーニアス農業遺産ふーどコンテスト」開催 農水省2025年7月3日
-
トロロイモ、ヤマノイモ・ナガイモ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第347回2025年7月3日
-
【JA人事】JA町田市(東京都)吉川英明組合長を再任(6月26日)2025年7月3日
-
【JA人事】JAふくおか嘉穂(福岡県)笹尾宏俊組合長を再任(6月26日)2025年7月3日
-
国産農畜産物で料理作り「全農親子料理教室」横浜で開催 JA全農2025年7月3日