営業制限解除で緩やかな回復基調 外食産業市場動向調査11月度2021年12月28日
日本フードサービス協会は、協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査令和3年11月度の集計結果をまとめ、発表した。
全国的に約1年ぶりに営業時間短縮要請が解除され、酒類提供の制限も無くなり、好調が続くファストフード(FF)洋風の牽引で全体売上は、ほぼ前年並みの99.8%。一昨年比で91.8%まで回復した。飲酒業態は前年比96.8%と回復の兆しが見える。11月は希望を取り戻した一か月だが、新しい生活様式の表れか、夜間の客足は鈍い。特に飲酒業態は一昨年比では51.9%と、コロナ前の半分にしか戻っておらず、マーケット回復に向け課題が多い。
業態別でファストフードは、引き続き「洋風」がけん引し、売上は前年比101.9%。コロナ禍前の前々年比では103.1%となった。「洋風」は時短解除により他業態に顧客が流れる動きもあるが、依然テイクアウト、デリバリー、ドライブスルーが堅調で売上103.6%。コロナ禍前の一昨年対比では115.2%となった。「和風」は、来客が戻り新商品も好調で、売上は102.4%。「麺類」は、昼時の来店が復調し、全体売上99.6%。
「持ち帰り米飯・回転寿司」は、「持ち帰り米飯」業態でパック詰めによる商品提供が好評だったが、要請解除による他業態への顧客流出もあり売上は前年比97.7%となった。「その他」は、「カレー」で持ち帰りが好調、「アイスクリーム」は各商業施設のブラックフライデーの販促などから、売上102.8%だった。
ファミリーレストラン業態の全体売上は95.2%。「洋風」は時短要請から解除されたものの夜間の客足が鈍く、売上は94.9%となった。「和風」は特に夜間の集客に苦労し93.1%。一方、「中華」は、引き続き持ち帰りが好調で、かつ若年女性などへ顧客層を幅広く拡大させ、売上100.7%。「焼き肉」は、夜間来客の戻りが遅いことに加え、以前の営業時間帯に合わせた労働力確保が追い付かず、前年比では売上94.3%となった。
パブ・居酒屋業態で、飲酒業態は深夜まで開店可能になったことによる集客効果があり、回復の兆しが見える。パブ・居酒屋業態全体の売上は、前年比96.8%で、一昨年比では51.9%。「パブ・ビアホール」の売上は、コロナ第3波が発生しはじめた前年を超え111.4%で、一昨年比54.2%。一方、「居酒屋」は91.0%で、一昨年比50.8%と業種間で差が生じた。
ディナーレストラン業態は、飲酒業態と同様、時短要請の解除で客足が戻りはじめ、売上は100.7%で一昨年比では80.0%。酒類の解禁や持ち帰り需要も寄与し回復傾向となったが、団体需要は依然芳しくない。
喫茶業態は、新型コロナの新規感染者数が落ち着いたことで、商業施設や繁華街の店舗で人の流れが戻り、売上は105.2%。一昨年対比では77.7%となった。
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