ドレッシングが食後の血糖値上昇を抑制 日本食品科学工学会で発表 キユーピー2023年3月14日
キユーピーは、野菜サラダと一緒に食べることの多い"ドレッシング"が食後の血糖値上昇にどう影響するかを検証し、ドレッシング単体でも、食後の血糖値上昇が抑えられることを確認。この研究成果を3月11日開催の「日本食品科学工学会 令和5年度 関東支部大会」で発表した。
同社は2022年8月、炭水化物の前に野菜サラダを摂取すると、食後の急激な血糖値上昇が抑制されることを確認し、同学会で発表。今回はこれに次ぐ第二の検証として発表した。
試験では、ドレッシング摂取の影響のみを検証するため、野菜サラダなどは用いず、ドレッシングのみを摂取。また、食後の血糖値を上昇させる要因が糖質であることから、ブドウ糖を用いて糖質量を揃え、「ブドウ糖」、「分離液状フレンチドレッシング+ブドウ糖」、「乳化液状ごまドレッシング」の各試験食品の糖質量が同じになるよう調整して実施した。
健常成人男性16人に対し、クロスオーバー試験で、①ブドウ糖6g(対照)、②分離液状フレンチドレッシング50g+ブドウ糖2g、③乳化液状ごまドレッシング50g、を摂取させ、摂取前および摂取後120分まで経時的に採血し、血糖値を測定。試験前日の食事は21時までに済ませ、その後は水分補給のみを可とした。また、試験食品は5分以内を目安に飲み切り、試験中に水500mlを好きなタイミングで飲み切ってもらった。
試験の結果、②分離液状フレンチドレッシング(+ブドウ糖)、③乳化液状ごまドレッシング、ともに、糖質量が同じ対照(①ブドウ糖)に比べ、食後の血糖値上昇が抑制されることが分かった。また、②分離液状フレンチドレッシング(+ブドウ糖)は摂取15分後に、③乳化液状ごまドレッシングは摂取15分後と30分後、45分後に、対照と比較して有意に低い値を示している(グラフ1)。さらに、③乳化液状ごまドレッシングは、摂取前と比較して、血糖値をほぼ上昇させないことが同グラフからわかる。
また、血糖値のIAUC(面積)を見ると、③乳化液状ごまドレッシングは、対照と比較して糖質の吸収を抑え、②分離液状フレンチドレッシング(+ブドウ糖)はその傾向があることを確認(グラフ2)。さらに、血糖値のCMAXからも、②分離液状フレンチドレッシング(+ブドウ糖)と③乳化液状ごまドレッシングがともに、食後の急激な血糖値の上昇を抑えることが分かった(グラフ3)。
2022年8月には、炭水化物の前に野菜サラダを摂取すると、食後の急激な血糖値上昇が抑制されることを確認し、今回は、サラダに使うことの多いドレッシング単体でも、食後の血糖値上昇を抑えられることを確認。同社は一連の研究成果から、「サラダは食べたいが、ドレッシングの糖質が気になる」という人にも、ドレッシングでサラダを楽しんでもらう後押しになるとしている。
共同研究者で京慈恵会医科大学の宇都宮一典名誉教授は「ドレッシングの油は、必須脂肪酸を含む、食用植物油脂を使用しており、動物性油脂に比べ、体には優しいもので、気を付けたいのは、飽和脂肪酸に富んだ、動物性油脂。野菜にはビタミン、ミネラル、食物繊維など人にとって健康を維持するために重要な栄養素が多く含まれている。ドレッシングを活用してサラダで野菜をおいしく摂取していただきたい」とコメントしている。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】サトウキビにイナゴ類 奄美地域でやや多発 鹿児島県2025年8月19日
-
【注意報】ネギ、野菜・花き類にシロイチモジヨトウ 県下全域で多発に注意 富山県2025年8月19日
-
【注意報】ダイズ吸実性カメムシ類 県下全域で多発に注意 富山県2025年8月19日
-
JAのコスト低減や販売努力 農業者の「肯定評価」2割強 農水省2025年8月19日
-
コシヒカリ2.9万円 JA福井県 「作柄不安で市況一変」2025年8月19日
-
米の店頭価格 2週ぶり上昇 5kg3737円 農水省発表2025年8月19日
-
あきたこまち新米集荷合戦ヒートアップ【熊野孝文・米マーケット情報】2025年8月19日
-
「あきたこまち」の生育は順調、収量は平年並み 初出荷式開く JAにしみのとJA全農岐阜2025年8月19日
-
和牛を食べて応援「JA全農×ニッポンハムプレゼンツ 一球牛魂!和牛ナイター」開催2025年8月19日
-
「お肉の宅配肉市場」12周年 志田音々がお祝い お得な記念キャンペーン開催中 JAタウン2025年8月19日
-
熊本のおいしい魅力を全国へ JA熊本経済連2025年8月19日
-
毎年大好評 兵庫・丹波の秋の味覚「丹波栗」予約販売開始 JAタウン2025年8月19日
-
2024年度の新規加入が増勢に 若者と女性に年金制度のメリット訴求 農業者年金基金2025年8月19日
-
長野県産梨使用「とろける食感 ぎゅっと梨」19日から発売 ファミリーマート2025年8月19日
-
女子栄養大生が開発「ガーリックシュリンプ&チキンのお弁当」発売 コープデリ2025年8月19日
-
最旬の山梨県JAふえふき産「黄金桃」をケーキで「桃フェア 第二弾」開催 カフェコムサ2025年8月19日
-
農薬の役割をマンガで「まもるはなし」シリーズ公開 クミアイ化学工業2025年8月19日
-
鳥インフル 米テネシー州などからの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年8月19日
-
青森県JAつがる弘前「りんご生産者サポート」サポーター募集 コープデリ2025年8月19日
-
星槎大学と包括連携協定 障害者と働く社会を当たり前に パルシステム神奈川2025年8月19日