JAのコスト低減や販売努力 農業者の「肯定評価」2割強 農水省2025年8月19日
農水省は8月8日にJAの経済事業に関する農業者の意識調査結果を公表した。
調査は2024年12月から25年1月にかけて実施し、約1万人の農業者が回答した。うちJAの正組合員は96.1%だった。
JAが生産コスト低減に向けた事業改善を行っていると回答したのは、78.2%だった。この取り組みに対して「肯定的に評価している」は21.8%、一方、「どちらともいえない」が33.7%、「肯定的には評価していない」が22.7%で、合わせて5割以上となった。
農水省はこの結果について「農業資材の国際価格高騰や円安の進行とあいまって、(事業改善の)取り組みを行っているものの肯定的な評価を得ることが難しいことがうかがえる」としている。
肯定的に評価している農業者では、その理由について「資材価格の高騰の抑制や引き下げにつながっている」との回答が84.9%ともっとも高く、次いで「ニーズに合った資材が提供されている」19.3%、「資材使用量の削減につながっている」17.7%だった。
一方、肯定的に評価していない農業者では、その理由について「資材価格の高騰の抑制や引き下げにつながっていない」が84.0%ともっとも高くなっており、肯定的に評価している農業者とまったく正反対の評価となっている。
生産資材購買事業に期待することは「価格高騰の抑制や引き下げ」が78.8%ともっとも高く、次いで「新商品情報の提供、使用方法等の相談機能の充実」29.8%、「品揃えの充実」27.5%のほか、、「土壌分析結果や農産物販売先のニーズに応じた施肥・農薬使用提案」25.0%もあり、コスト削減に向けた営農指導への期待もうかがえる。
また、販売事業について、JAが農業者の所得向上に向けた取り組みを行っていると回答したのは75.9%だった。
このうち取り組みを「肯定的に評価している」は24.7%だった。一方、「どちらともいえない」が32.1%、「肯定的には評価していない」が19.1%となり、合わせて5割以上となった。
農水省は資材価格の高騰などを踏まえた販売の取り組みについて「肯定的に評価してもらえるまでの十分な効果を発揮させることの難しさがうかがえる」としている。
肯定的に評価している農業者では、その理由としては「安定的な取引につながっている」が62.4%、次いで「販売単価の向上につながっている」が52.1%、「販売量の増加につながっている」が30.6%となった。
一方、肯定的には評価していない農業者では、その理由として「販売単価の向上につながっていない」が78.2%ともっとも高く、次いで「安定的な取引につながっていないが25.1%となった。ここでも肯定的に評価する農業者と正反対の評価となった。
JAの販売事業に期待することは「価格交渉力の強化」が59.2%ともっとも高く、次いで「販売手数料の低減」が41.0%、「直接販売をはじめとした販路の拡大」が35.0%となった。JAの価格交渉力の強化に農業者の期待は大きい。ただ、生産コスト上昇を受けた販売価格への転嫁について、JAが取り組みを行っているとの回答は58.7%だったが、「十分な成果が上がっている」は6.6%にとどまっており、農水省は「成果を実感してもらう難しさがうかがえる」としている。
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