「アニマルウェルフェアアワード2024」味の素など取り組みを評価2024年4月11日
畜産水産動物福祉の向上に取り組む認定NPO法人アニマルライツセンターは、前年度に国内のアニマルウェルフェアにとって効果的だった企業に贈る「アニマルウェルフェアアワード2024」で「鶏賞」と「魚賞」を決定した。

多くの大手、中堅企業がアニマルウェルフェアの調達ポリシーを持ち、生産部門を持つ食肉企業はアニマルウェルフェアに配慮するための自社ガイドラインを持つようになった。「アニマルウェルフェアアワード」は、NPO法人アニマルライツセンターが、前年度(2023年4月~2024年3月末)までの間のアニマルウェルフェア向上に最もインパクトのあった企業を評価するもの。今回、「鶏賞」には味の素と白老たまごの里 マザーズが、「魚賞」はマルハニチロが選ばれた。各賞の内容は次の通り。
■鶏賞(採卵鶏)
・味の素
2016年に企業のエシカル通信簿を通して、畜産動物のアニマルウェルフェアの問題を把握してから間もなく、専門家を集めたラウンドテーブルを行い、調達ポリシーを策定。畜産物のトレーサビリティを確認しその結果を公表した。さらに取り組みを継続し、2023年、鶏卵の調達に関する考え方を公表し、同年中に平飼い卵のマヨネーズを販売開始した。アニマルウェルフェアを軽視せず着実に歩みを進める姿勢が評価された。
・白老たまごの里 マザーズ
マザーズは、鳥インフルエンザの大流行を経て、飼育するすべての鶏を平飼い飼育に切り替えることを決定。もともと3棟あったうちの1棟は平飼いだったが、他の2棟も平飼い(エイビアリー)になり、2024年に約4万羽の鶏がケージから解放される。鶏と人間との関係を見直し、いち早く、すべての鶏舎の切り替えることを決めたことが評価された。
■魚賞(養殖魚)
・マルハニチロ
2023年度、マルハニチロは急速にアニマルウェルフェアへの取り組みを始め、取組状況を公開。特に飼育密度を10%低下させる取り組みは、今後の水畜産のアニマルウェルフェアの取り組みに対する良い効果を発揮するものと考えられる。すでに行っていた取り組みを含めて情報を公開し、社会的な企業価値を高めたことが評価された。
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