茨城県桜川市発「霞ヶ浦キャビア」で地方創生と農業の未来を拓く挑戦 クラファン開始2025年1月8日
農家の新たな収入源を提案できるよう、地域経済の活性化を目指す「霞ヶ浦キャビア」を養殖・販売している有限会社つくばチョウザメ産業(茨城県桜川市)は、取り組みをさらに加速させるため、クラウドファンディングの「CAMPFIRE」でプロジェクトを開始。1月31日まで支援を募っている。
「霞ヶ浦キャビア」は、茨城県の豊かな自然環境が育む高品質なチョウザメの卵を、フレンチの名店「Chez Inno(シェ・イノ)」の古賀純二総料理長監修のもと完成した国産キャビア。同社はプロジェクトを通じて、農家の副業としての可能性を広げ、地域を未来へつなぐ新しい道を模索している。
2010年につくば市で始まったチョウザメ養殖の挑戦は、東日本大震災、コロナ禍での販路の縮小などの試練を乗り越え、2023年には茨城県ブランド「霞ヶ浦キャビア」として新たな一歩を踏み出した。しかし、さらなる飛躍を目指していた2024年3月には、桜川市で約3時間半にわたる停電が発生。水槽への酸素供給が停止した結果、約1500尾ものチョウザメが死亡し、被害総額は約790万円にのぼった。
こうした災害への備えとして、非常用電気設備(費用約500万円)を設置し、安定した生産体制を整えることが急務で、そのための資金調達が大きな課題となっている。
茨城ブランド「霞ヶ浦キャビア」
霞ヶ浦キャビアは、筑波山の伏流水を活用して育てたチョウザメから作られ、低塩分で熟成された味わいは、シェフやグルメな人々から高い評価を得ている。市場に出回る一般的な輸入キャビアは、長期保存できるようにするため、塩分濃度7〜10%と高めだが、「霞ヶ浦キャビア」はキャビア本来の風味を楽しめるよう、国産キャビアの塩分濃度3%程度よりも低い、塩分濃度2.5%以下で熟成させるため、キャビア本来ののうまみ、食感、舌触りが楽しめる。
さらに、同社ではキャビアだけでなく、養殖水を再利用したアクアポニックス(無農薬野菜の水耕栽培)や、チョウザメの肉を活用した高タンパク食品の開発にも力を入れており、持続可能な農業を通じて地域経済を多角的に支える仕組みを構築している。
クラウドファンディングの支援者には、「霞ヶ浦キャビア」お試し10g(6500円)、「養殖場見学+古民家ランチ+キャビア等のお土産付き」(2万円・2万5000円)、「チョウザメオーナー」(15万円)の3種のリターンを用意している。
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