リンドウで国内初 トマト黄化葉巻ウイルスが県内で発生 福岡県2021年9月27日
福岡県病害虫防除所は、リンドウにトマト黄化葉巻ウイルスの発生を県内で確認。これを受け、9月21日に病害虫発生予察特殊第1号を発令した。
新葉のねじれ症状 (写真提供:福岡県病害虫防除所)
7月に、福岡県内の露地リンドウで、株の矮化と新葉にねじれ症状がみられる株が確認。同防除所でイムノクロマト法によるトマト黄化葉巻ウイルスの抗体検査を実施したところ陽性の反応を示した。さらに、PCR法による遺伝子診断を実施したところ、トマト黄化葉巻ウイルス(TYLCV)が検出されたことから、TYLCVによる病害と判断した。
TYLCVによる病害は平成8年に静岡県、愛知県、長崎県のトマトで初めて発生が確認された。福岡県では平成11年にトマト、平成16年にトルコギキョウで発生が確認されている。リンドウでの確認は国内で初めてとなる。
新葉は波打ち、ねじれ症状や葉巻症状および黄化を呈す。また、上位節間が短縮し、株が矮化する。このウイルスは、タバココナジラミの吸汁によって永続的に媒介。タバココナジラミは、成虫および幼虫が罹病植物を吸汁することによりウイルスの伝搬能力を獲得する。なお、経卵伝染、汁液伝染、土壌伝染、種子伝染はしない。
株の矮化症状(写真提供:福岡県病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇発病株は感染源となるため、早急に抜き取る。抜き取った株はビニル袋に入れるなどして、ほ場外に持ち出し、適切に処分する。
〇ほ場内や周辺の雑草は、媒介虫であるタバココナジラミの増殖の場となるため、除草を徹底する。
〇媒介虫であるタバココナジラミの防除を徹底する。また、薬剤の使用にあたっては、抵抗性の発達を防ぐため、同一系統薬剤の連用を避ける。
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