【注意報】かき、みかん、ぶどう等に果樹カメムシ類 府内全域で多発のおそれ 大阪府2024年8月5日
大阪府環境農林水産部は、果樹全般(かき、みかん、ぶどう等)に果樹カメムシ類が府内全域で多発のおそれがあるとして、8月2日に令和6年度病害虫発生予察注意報第4号を発表した。
左から、写真1:チャバネアオカメムシ(提供:大阪府)、
写真2:羽曳野市の調査地点で誘殺された果樹カメムシ類(提供:大阪府)、
写真3:かきの被害(果実表面がデコボコになる:丸印が被害箇所)(提供:大阪府植物防疫協会)
大阪府環境農林水産部は、果樹カメムシ類について、注意報(5月16日付)を発出し防除を呼び掛けてきたが、6月下旬から7月中旬にかけてフェロモントラップ調査および予察灯調査における誘殺頭数が増加している。
6月下旬から7月中旬までの、チャバネアオカメムシのフェロモントラップ調査における誘殺頭数は、羽曳野市で平年のおよそ3.6倍、岸和田市で平年のおよそ2.9倍、河内長野市で平年のおよそ3.1倍。また、6月21日から7月15日までの、チャバネアオカメムシの予察灯調査における誘殺頭数は、羽曳野市で平年のおよそ6.0倍、岸和田市で平年のおよそ2.8倍、枚方市で平年のおよそ129倍だった。
大阪管区気象台が8月1日に発表した近畿地方の1か月予報では向こう1ヶ月の気温は高く、果樹カメムシ類の果樹園での発生が増加するおそれがある。
果樹を加害する果樹カメムシ類には、チャバネアオカメムシ(写真1)、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシ等がある。大阪府内で確認される果樹カメムシ類の大半はチャバネアオカメムシ。
果樹カメムシ類の主なえさは、夏期のスギやヒノキ等の球果で、果樹園でも産卵は行われるが、成虫までは発育しない。スギ等の球果が多い年は夏に個体数が増加し、えさが不足すると秋に果樹園に飛来して果実を吸汁し、落果や奇形果等の被害が増える。また、越冬密度が高いと、春から夏にかけて果樹園に飛来して果実を吸汁し、落果や奇形果等の被害をもたらす。
8~9月の飛来では、かきやかんきつ類、ぶどうに被害が及ぶことがある(写真3)。袋かけをすると被害を軽減できるが、果実の肥大に伴って果実袋と果実が密着すると、果実袋の上から吸汁されることもある。
果樹カメムシ類の果樹園等への飛来は日没後の2~3時間が中心。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇果樹カメムシ類の発生量や時期には地域や園地で差があるため、カメムシ類の活動が活発になる夕方に園内を見回り、飛来を確認したら、速やかに薬剤散布を行う。薬剤散布後も園内を確認し、再度飛来を確認した場合は、追加の散布を行う。薬剤散布に当たっては、収穫前日数や使用回数に十分注意する。
〇果樹カメムシ類に有効な薬剤は、有機リン系薬剤、ピレスロイド系薬剤、ネオニコチノイド系薬
剤等。多発時には、残効性が比較的高いピレスロイド系薬剤、ネオニコチノイド系薬剤を中心に散布する。
〇ピレスロイド系薬剤は果樹カメムシ類への効果は高いが、天敵類への影響も大きく、連用するとハダニ類やカイガラムシ類の多発を招くことがあるため、なるべく連用を避ける。
〇薬剤散布は夕方か早朝に行うと効果的。
〇チャバネアオカメムシに対しては、黄色灯は忌避効果があるため、設置している園地では早急に
点灯する。ただしチャバネアオカメムシ以外には効果がないため、光源近くや園内でクサギカメムシやツヤアオカメムシを確認した場合は薬剤散布を行う。
〇果樹園全体に目合い4mm以下のネットを被覆することで侵入を阻止する。
重要な記事
最新の記事
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(26)【防除学習帖】 第265回2024年9月14日
-
土壌診断の基礎知識(35)【今さら聞けない営農情報】第265回2024年9月14日
-
米不足で先行き不安【消費者の目・花ちゃん】2024年9月14日
-
シンとんぼ(109) -みどりの食料システム戦略対応 現場はどう動くべきか(19)-2024年9月14日
-
【注意報】野菜類にコナジラミ類 県下全域で多発のおそれ 岐阜県2024年9月13日
-
【注意報】大豆に吸実性カメムシ類 美濃地域で多発のおそれ 岐阜県2024年9月13日
-
(401)最後の藁【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年9月13日
-
無料オンラインセミナー「北海道の農業を現場から学ぼう」第2弾を開催 北海道2024年9月13日
-
産官学連携で生まれた「狭山茶フレーバーティー」食のオスカーで1つ星獲得2024年9月13日
-
希少な埼玉県産枝豆「さきたまめ」数量・期間限定で販売 JAタウン2024年9月13日
-
米の目利きが教えるお米の教養書『米ビジネス』発売2024年9月13日
-
持続可能な消費のヒントが見つかる「サステナウィーク」14日開幕 農水省2024年9月13日
-
岡山のシャインマスカット「晴王」新規格・家庭用がお買い得 JAタウン2024年9月13日
-
【地域を診る】農村地域再生の視点 効率優先で被災地の生活見えず 能登復興プラン届かぬ住民の声 京都橘大学教授 岡田知弘氏2024年9月13日
-
第22回ブリヂストンこどもエコ絵画コンクール開催 より良い地球環境を将来世代に2024年9月13日
-
幻のじゃがいも「今金男しゃく」使用 秋限定ポテトチップス予約受付開始 湖池屋2024年9月13日
-
農薬出荷数量は4.1%減、農薬出荷金額は1.3%減 2024年農薬年度7月末出荷実績 クロップライフジャパン2024年9月13日
-
東京農大と連携協定 バイオサイエンス分野で活躍する女性を育成 跡見学園中高2024年9月13日
-
鳥インフル デンマークからの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年9月13日
-
中国料理の巨匠・脇屋友詞氏とコラボ「世界最高米フェア」開催 東洋ライス2024年9月13日