新技術「スマート飽差制御」いちご「さぬき姫」の収穫量を18.5%向上 農研機構2026年1月20日
カサイホールディングスと農研機構は2023年6月から、香川県小豆島の「夕陽ヶ丘いちご園(オリビアン小豆島夕陽ヶ丘ホテル内)」で、農研機構が開発したいちごの収量を増やす新技術「スマート飽差制御」の実証試験を実施。このほど、「スマート飽差制御」の導入により、いちごの収穫量が18.5%向上するという成果が得られた(図1)。
図1:スマート飽差制御による増収効果
(品種:「さぬき姫」、エラーバーは標準誤差を示す(n = 9-10).)
「飽差」は、空気の乾燥度合いを示す指標で、飽差が大きいほど乾燥していることを示す。ハウス内の空気が乾燥すると、葉からの蒸散量が増え、根からの吸水量が追いつかず、植物体内の水分が不足。この水分不足の状態(水ストレスが増大した状態)になると、植物体は体外への水の流出を抑えるために気孔を閉鎖する。
気孔が閉鎖されると、植物体内への二酸化炭素の取り込みが制限され、光合成の働きが低下。光合成が低下すると、植物の成長が抑制されるため、最終的に収量が減収する。
農研機構が開発した「スマート飽差制御」は、ハウス内の飽差が増大していちごに強い水ストレスがかかった際に、細かなミスト(霧)を自動で噴霧することで湿度を調整し、いちごの成長に最適な環境を自動で保つ技術(図2)。同技術は炭酸ガス施用を前提とした光合成促進技術で、図1の増収効果も炭酸ガス施用と併用した時の結果となる。
図2:夕陽ヶ丘いちご園ハウス内を細霧装置で加湿している様子
「スマート飽差制御」は、生産人口の減少や担い手不足など農業が抱える課題に対する解決策のひとつとして期待されている。自動でハウス内環境を最適化できるため、栽培経験が少ない新規就農者でも、手間をかけずに安定して高収益な経営が可能になることが期待できる。
今後もカサイホールディングスと農研機構は実証試験を継続。また、農研機構では得られた試験結果をもとに技術の改良を進めるとともに、「スマート飽差制御」技術の普及を目指す。
図3:収穫期を迎えたいちご「さぬき姫」の様子
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