農業用パワーアシストスーツ「J-PAS Agri」が「あいち農業イノベーションプロジェクト」に選定 ジェイテクト2022年12月15日
株式会社ジェイテクト(愛知県刈谷市)は、愛知県との共同研究で開発した農作業の身体負荷を軽減するパワーアシストスーツ「J-PAS Agri」が、愛知県が実施する「あいち農業イノベーションプロジェクト」に選定された。11月1日から同県内を中心にテスト販売している。
J-PAS Agri
愛知県では、農業総合試験場や大学が有する技術、フィールド、ノウハウとスタートアップの新しいアイデアや技術を活用した共同研究体制の強化を図り、新しい農業イノベーションを創出するために「あいち農業イノベーションプロジェクト」を2021年度から進めている。
2022年度は、同県農業の生産現場が抱える課題解決に向けて、2021年度に設定した6つのテーマに関して、スタートアップを始めとする企業等からの技術提案を募集。農業総合試験場と共同で農業イノベーション創出に取り組む企業など19者が選定された。
ジェイテクトでは、2017年4月に新組織を立ち上げ、同社の持続的成長の柱となる新領域の事業創出を推進。その取り組みの第1段として、少子高齢化、労働人口不足、労働災害の増加など社会課題に対し、同社が既存事業で培ったアシスト技術やトライボロジー(摩擦工学)技術と、製造現場を持つ強みを活かしたパワーアシストスーツの開発に着手した。
2018年5月には、現場での作業者の腰の負担を軽らし、安全な職場づくりと多様な人材の活躍を支援するパワーアシストスーツ「J-PAS」を開発。多様な市場ニーズに応えるため、小型・軽量化を進め、中出力タイプ「J-PAS LUMBUS」や介護作業向けの「J-PAS fleairy」を展開している。
ジェイテクトにおけるパワーアシストスーツJ-PASの展開
このほど、J-PASシリーズの第4弾として、少子高齢化に伴う農業における深刻な労働力不足や土地利用型作物でニーズの多い省力化や身体負荷軽減ニーズへの対応するため、農作業の身体負荷、特に腰の負担を軽減する農業用パワーアシストスーツを開発した。
パワーアシストスーツは、大きく、モータで必要な時に必要な力でアシストする「アクティブ型」と、バネ力で常時アシストする「パッシブ型」に分類。また、堅牢で高出力が可能な「外骨格型」と、軽量で安価な「内骨格型」に分類することもできる。
今回開発したJ-PAS Agri~は「アクティブ型」「内骨格型」で両者の特長を併せ持つ。「J-PAS Agri」は、ひねり・屈みこみ等の農作業で必要な動作に対応するため、従来のJ-PASから機体構造およびアシスト制御を見直したことで高レベルの動きやすさ実現。また、中腰姿勢を保持するモードと、荷の持ち上げをサポートするモードを搭載し、「J-PAS Agri」を装着したまま、収穫から積み込みまで一連の農作業を行なえる。
土地利用型作物を中心に、腰への負荷が高い農作業において、その負担を軽減し、屋外での使用に耐えるよう、防水・防塵性、耐候性、一部の防疫用薬剤に対する耐薬品性もある。
「J-PAS Agri」は今後、JAあいち経済連および愛知県内の各農業協同組合で販売され、愛知県特産のキャベツの収穫作業をはじめとする中腰や持ち上げ下げ等の農作業の身体負荷軽減に貢献する。
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