収量最大化と環境負荷低減を両立 最先端グリーンハウスを受注・竣工 NTTアグリテクノロジー2023年1月24日
NTTアグリテクノロジーは1月23日、パプリカを生産する株式会社Tedy(茨城県水戸市)が新たに導入した統合環境制御型グリーンハウスを受注し、竣工したことを発表。最新鋭の機構を備えたグリーンハウスにより、Tedyの総生産量は年間500トン超を見込んでおり、パプリカ農家として日本最大級の生産規模となる。建設工事における品質・工程管理については施主代行であるJA全農が指導した。
グリーンハウス全景
Tedyは、輸入率が約85%と高いパプリカの生産に国内で20年以上前から取り組み、国産パプリカの普及推進を積極的に図っている。さらなる増産、環境配慮型農業の実現に向け、新規に統合環境制御型グリーンハウスを導入。NTTアグリテクノロジーは、Tedyのニーズと「省力化」、「環境配慮」を実現する大規模グリーンハウスにおける技術とノウハウを提供している。
NTTアグリテクノロジーが提供する統合環境制御型グリーンハウスは、広い栽培面積でも均一で安定的な生育・生産を実現。光の透過率が高いガラスを屋根の被覆材に使われ、ガラスサイズを大きく、骨材を減らすことで植物に太陽光が当たりやすい構造になっている。
グリーンハウス内 栽培エリア
また、蓄熱タンクに湯を貯め、夜間に利用することでボイラー稼働時間の削減と効率化につなげ、潅水で使用した水は再利用することで周辺環境への負荷を低減する。さらに、温度・湿度・日射量などの環境センサー情報をベースに、天窓、カーテン、循環扇、暖房、灌水などそれぞれの設備を1つの制御機器で自動コントロールするとともに、データ駆動型農業を実現。Tedyの旧温室の制御システムは、暖房や潅水などの細かな設定の一部で人による制御の補完が必要だったが、今回導入したシステムは複合的な環境因子をセンシングし、自動制御に加え、天気予報や生育ステージに合わせ、先を予測した設定、制御まで可能となる。
統合環境制御型グリーンハウス概要
広い面積で栽培生産性を向上する農業と、省力化・環境配慮を実現するグリーンハウスは、生産だけでなく、雇用創出や、物流、加工・販売など関連産業集積など地域づくりの拠点としての機能も期待される。
なお、施設園芸が盛んなオランダのグリーンハウスメーカーで、50年以上に渡り世界各地で1000件以上のグリーンハウスを手掛けているBOM Groupの協力のもとつくられた。
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