全国初 濃縮バイオ液肥施設で約20倍の肥料成分濃縮に成功 三菱ケミカル2023年6月29日
三菱ケミカルグループは、三菱ケミカルアクア・ソリューションズ(MCAS)が、福岡県リサイクル総合研究事業化センター(リ総研)の支援を受け、九州大学、福岡県築上町などと共同で実施した「濃縮バイオ液肥製造に関する事業化プロジェクト」を完了し、濃縮バイオ液肥製造プロセスを事業化することを発表した。産学官で連携した同研究の成果は7月6日、福岡県北九州市で開催の「エコテクノ2023」で発表を予定している。
通常液肥(左)と濃縮バイオ液肥。
濃縮バイオ液肥は懸濁物質の除去で透明度が増し、 さらに電気透析で肥料成分が濃縮されている
福岡県築上町は、し尿や浄化槽汚泥を液状の肥料(液肥)にする循環型農業に取り組み、すでに水稲や麦などの栽培に使用されている。浄化処理して河川などに流す代わりに液肥にすることで、排水処理費用の削減と資源循環を実現している。
築上町が建設した 全国初の液肥濃縮施設(福岡県築上町)
今回の共同研究プロジェクトでは、築上町が新たに築上町有機液肥製造施設内に建設した全国初の液肥濃縮施設で、濃縮技術の向上に取り組んできた。その結果、膜分離による懸濁物質の除去と電気透析を行うことで、肥料の主要成分である窒素およびカリウムを通常の液肥に比べて約20倍に濃縮することに成功。濃縮により、肥料成分を農作物に与えたい濃度に調整できるようになり、化学肥料を使用した場合と遜色ない生育を確認した。
さらに、液肥の輸送コストや保管スペースを削減。また、水稲や麦などの大規模土地利用型農業だけでなく、これまで利用できなかった施設園芸や家庭菜園での利用が可能となった。
三菱ケミカル製の中空糸膜エレメント
MCASは、リ総研共同研究プロジェクトの研究代表者として、施設の設計や性能確認および事業化を検証。濃縮工程に三菱ケミカルグループ製の中空糸膜エレメントを導入している。この成果を踏まえ今後、他の自治体や事業体の液肥製造工程へのソリューション提供を進め、循環型農業を推進し、サステナブルな社会の実現につなげる。
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