EC・サブスク向け栽培規格に 無花粉トルコギキョウ「ソロPF」を活用 サカタのタネ2023年6月30日
サカタのタネと大田花きは共同でEC・サブスクリプション向けのトルコギキョウの商品を福島県と長野県で開発し、7月から本格的に切り花の出荷が始まる。生産者の収益を確保できる効率的な生産・出荷が可能な取り組みで、将来的にはホームユース向け切り花の小売価格が下がる可能性も期待される。
花のEC・サブスク市場は、2020年と2022年比で約3.5倍と急成長し、大田花きでは、2023年には300億円の市場規模になると予想している。従来の切り花は高単価が期待されるブライダルなど業務需要向け規格で生産されることが多く、特に冠婚葬祭需要の高いトルコギキョウは高価格帯で装花に適した長い丈で出荷される。一方、サブスクなど消費者が家庭で楽しむ場合は、短い丈でかつ手ごろな価格帯の規格が求められている。
今回の規格では通常、1株から1本収穫するのに対し、1株から複数本収穫するため1本当たりの丈は短く単価を下げた一方、栽培、輸送コストなどを含めると生産者の収益増につながる。また、サブスク向けはあらかじめ必要数が決まっているため生産計画が立てやすく、生産者の経営安定にもつながる。さらに、従来規格より短い丈で生産するため、仕入れた切り花を切って調整していたサブスク業者の手間やごみの削減にもなる。
この規格では、①無花粉で日持ちがよく、輸送性に優れる、②仕立て方の工夫で1株当たり多くの本数が収穫でき、低単価でも収益を見込めるなどの特徴から、同社のトルコギキョウ「ソロPF」シリーズが使われている。
約10年前から始まった花のサブスクサービスはコロナ禍を経てさらに発展し、従来花を買っていなかった層へのアプローチが可能となったことから、アフターコロナの今も勢いは堅調。大田花き営業開発室の黒田高碩室長は「サブスク向けの規格、栽培では買い手を明確にし需要に応じた生産・流通を行うことができ、生産現場、流通における多くの"むだ"の削減につながる。生産者が安心して生産を営める持続可能な環境を整えることができると同時に、切り花小売価格も抑えられるため、より一層花が身近になり、これまで以上に花の消費拡大へつながる」と話している。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】野菜類、花き類、豆類にハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2025年9月12日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2025年9月12日
-
ドローン映像解析とロボットトラクタで実証実験 労働時間削減と効率化を確認 JA帯広かわにし2025年9月12日
-
スマート農業の実践と課題を共有 音更町で研修会に150名参加2025年9月12日
-
【地域を診る】個性を生かした地域づくり 長野県栄村・高橋彦芳元村長の実践から学ぶ 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年9月12日
-
(452)「決定疲れ」の中での選択【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月12日
-
秋の味覚「やまが和栗」出荷開始 JA鹿本2025年9月12日
-
「令和7年台風第15号」農業経営収入保険の支払い期限を延長 NOSAI全国連2025年9月12日
-
成長軌道の豆乳市場「豆乳の日」前に説明会を実施 日本豆乳協会2025年9月12日
-
スマート農園を社会実装「品川ソーシャルイノベーションアクセラレーター」に採択 OYASAI2025年9月12日
-
ご当地チューハイ「寶CRAFT」<大阪泉北レモン>新発売 宝酒造2025年9月12日
-
「卵フェスin池袋2025」食べ放題チケット最終販売開始 日本たまごかけごはん研究所2025年9月12日
-
「日本酒イベントカレンダー 2025年9月版」発表 日本酒造組合中央会2025年9月12日
-
北海道檜山特産品マルシェ「ひやマルシェ」開催2025年9月12日
-
農福連携 食品産業向け展示商談会「ノウフク見本市2025in大阪」開催2025年9月12日
-
次世代モデルの人工光型植物工場「福井美浜工場」竣工 椿本チエイン2025年9月12日
-
福井市の砂丘地でオリーブ栽培 就農体験の参加者募集中2025年9月12日
-
国産原料で食品添加物不使用「自然派Style」からコチュジャンが新登場2025年9月12日
-
玄米60kgを3万円で買い取り 米生産農家支援事業 茨城県境町2025年9月12日
-
魚沼産コシヒカリを使った「日本酒の棚田オーナー制度」開始 津南醸造2025年9月12日