ブラジル種苗会社「Isla社」買収 種子販売ビジネスを全領域で網羅 サカタのタネ2023年10月24日
サカタのタネは10月19日、ブラジル子会社Sakata Seed SudamericaLTDA.LTDA.(SDA社)を通じて、Isla Sementes LTDA.LTDA.(Isla社)と、Isla社の持株会社であるAdministraçãoEParticipações Spalding LTDA.(Spalding社)の全株式を取得する契約を締結した。12月までに株式を取得し、買収を完了する予定。取得金額は6350万ブラジルレアル(約18.8億円)。
サカタのタネは、SDA社を通じてブラジル国内で中~大規模農家向けに花・野菜種子を販売している。また、Isla社はブラジル国内の家庭園芸および小規模農家向けに花・野菜種子の生産・販売。両社はそれぞれの市場においてブラジル国内で高いシェアを獲得している。
サカタのタネはブラジル国内の家庭園芸および小規模農家向け市場を約30億円前後と推測。2億人を超える人口と今後の経済成長により、同市場が今後も成長すると見込んでいる。この買収により、販売網や販売エリア、顧客層、プロダクトポートフォリオで重複が少ない両社が、それぞれの販売網を活用することで、新たな顧客と需要の喚起を図る。
サカタのタネは中~大規模農家の計画的な生産に適するF1品種を豊富に持っていることが強み。Isla社は家庭園芸や小規模農家にとって魅力のある多彩な品種群を中心に品ぞろえしている。また、Isla社はこれから需要拡大が期待される、栽培期間が22~4週間程度で収穫する若芽野菜「マイクログリーン」や、農薬・化学肥料・遺伝子組換・採種後の種子消毒を使わないで生産する「オーガニック種子」の分野でも高い商品力を持つ。
今後、サカタのタネの販売網を活用し、Isla社の商品を世界各国で販売することも視野に入れる。また、サカタのタネはIsla社がグループに加わることで、販売網の相互利用による相乗効果が生まれ、両社の売上がさらに増加することを期待。この相乗効果による売上増加額を、5年後には両社合計で約1500万ブラジルレアル(約4.5億円)になると見込んでいる。
さらに、互いのサプライチェーンの強みを生かすことで、種子生産施設や倉庫、研究施設の有効利用や、種子生産コストの削減などの効果が生まれることも見込んでいる。なお、サカタのタネによる買収後もIsla社のブランドを存続。サカタのタネは、ブラジルはグローバルな事業戦略において重要拠点の一つと位置付け、同国での事業を強化するとともに、南米地域での事業をさらに発展させる。
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