【年頭あいさつ 2025】菱沼義久 一般社団法人日本農業機械化協会 会長2025年1月4日
新年あけましておめでとうございます。
2025年もJAcom農業協同組合新聞をよろしくお願い申し上げます。
JAcomでは、農林水産大臣をはじめJAグループ全国連、農業関連団体のトップなどによる年頭のあいさつを順次掲載します。
菱沼義久
一般社団法人
日本農業機械化協会 会長
新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。昨年は、年明け早々能登半島地震、羽田空港での航空機事故が発生し、暗澹たる思いでのスタートとなりました。世界を見ても依然としてロシアのウクライナ侵攻、中東情勢は出口が見えず、各国での政情不安定など分断のリスクが加速しています。また、資材・燃料価格に留まらない諸物価の高騰・高止まりに加え、2年続きの記録的猛暑と米不足が大きな社会問題となりました。こうした状況が一刻も早く改善され、安心して農業経営に取り組めるよう祈るばかりです。
さて、昨年は「新食料・農業・農村基本法」の重要な柱である「人口減少下における農業生産の維持・発展」のため、「スマート農業技術活用促進法」が成立・施行されました。「スマート農業技術の活用及びこれと併せて行う農産物の新たな生産方式の導入」と「スマート農業技術等の開発及びその成果の普及」が加速されることが期待されます。併せて、農業の世界レベルでの環境負荷低減を目指す「みどりの食料システム法」に基づく取り組みも強化されます。これらの取り組みを進めていくためには、スマート農業技術を支えるロボット農機は重要な役割を果たします。今年は、従来の技術実証的なロボット農機の利活用からさらに大きく踏み出し、より多くの地域において広範な面積での利活用に展開していく、まさにその時であると考えます。
ロボットトラクターなどのスマート農機の利活用を推進するに当たり、重要なポイントとなるのが安全性の確保です。このため当協会は、研究機関や関係メーカーなどの参集を得て、安全方策策定のための検討を行っています。検討結果については農林水産省に提言され、農業機械の自動走行に関する安全性確保ガイドラインに反映されています。
一方、貴重な担い手を守るため、農作業安全対策も非常に重要です。農作業中の死亡事故件数は若干減少傾向に転じているものの、就業人口当たり死者数は他産業に比べ依然としてかなり高く、安全対策の強化が喫緊の課題となっており、危機感をもって対策に当たる必要があります。このため、当協会は、農林水産省が実施する「農作業安全指導者向け研修」及び「農作業安全検討会」への参画、厚生労働省の「農業機械の安全対策に関する検討会」への参画を行い、意見具申等を行っています。特に、「農業機械の安全対策に関する検討会」での検討内容は、「労働安全衛生の考え方を農業にも適用する」新たな方向性を示すものであり、今後の農作業事故低減対策として期待されるものです。また、トラクターのシートベルト装着、熱中症対策などをPRするための広報啓発や声掛け活動への取り組みを通じ、一層の安全確保を図っています。
さらに、生産性向上・コストの低減のためには、特に中古農業機械査定士制度の設置・運営に尽力しています。全国どこででも実機を前に、スマートフォンやタブレットに機械の型式や年式などを入力すれば査定価格が算出できる仕組みの運用などにより、健全な中古市場育成を目指しています。
末筆となりましたが、本年も農業機械化・施設化に尽力される皆様のご発展とご健勝を心よりお祈り申し上げます。
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