バイオスティミュラント表示のガイドライン パブリックコメントの募集へ 農水省2025年2月27日
農水省は2月19日に開いた「バイオスティミュラントに係る意見交換会」(第2回)で示した「バイオスティミュラントの表示に係るガイドライン(案)」が概ね賛同を得たことから、近くパブリックコメントの募集を始め、早ければ今年4月頃には実施する見通しだ。
バイオスティミュラント(BS)は従来の農薬や肥料、土壌改良剤とは異なる新たな生産資材として開発や普及が進み、「みどりの食料システム戦略」でも活用が掲げられている。しかし、位置づけや定義が不明確で、農薬との関係も分かりにくい。表示が不明確であったり、根拠となる情報も不足している。
そのため、農水省はBSの製造・販売者や使用者の6人の委員による意見交換会を開き、EUの法規制や米国の法案(米国議会に提出も審議は行われていない)を参考に、委員の意見も踏まえた表示のガイドライン案を示していた。2回目の意見交換会では「一部の修正意見はあったが、大きな方向性は一致した」(農水省消費・安全局農産安全管理課)ため、一部字句上の修正を行ったうえで、パブリックコメントを募集する。
ガイドライン実施後は「法的強制力はなく、業界が自主的に適正な表示を行うことに期待」する。そのため、実際に適切な表示や農家などでの活用状況を把握する必要があり、関係者へのヒヤリングなども必要になるとみられる。
【ガイドライン案】(抜粋)
1.目的:効果や使用に係る表示を中心に、特に留意すべき事項を示し、事業者による自主的な取り組みを促し、使用者による目的に合った選択や適切な使用に資する。
2.定義:農作物や土壌が持つ機能を補助する物質、微生物、これらを混合した資材。BSの栄養成分に関係なく、土壌中の栄養成分の吸収性、農作物による栄養成分の取り込み・利用効率および非生物的ストレス(乾燥や高温、塩害など)に対する耐性を改善し、品質や収量が向上するもの。
3.表示
(1)効果の表示:容器や包装、チラシ、ウェブページで表示する。求めに応じて栽培試験や原材料を情報提供する。農薬や肥料(登録がない場合)と誤認される効果や表示をしない。
(2)使用に係る表示:標準的な使用方法(対象作物、使用量、使用時期、使用回数など)や使用上の注意事項を示す。
(3)根拠情報の確認:試験結果や査読付き学術論文などを確認し、栽培実験(一定の要件)の実施も確認する。
4.安全性の確認:農作物、ヒトなどへの安全性を予め確認する(確認方法の規定あり)。成分分析を定期的に行い、必要に応じて改善する。
5.情報収集と活用:最新の科学的知見を収集し、必要に応じて品質や表示を改善する。問い合わせを受け付ける体制を整備する。
6.その他:肥料や土壌改良剤に該当する資材を扱う事業者は、関係法規を遵守しガイドラインに沿って対応する。
重要な記事
最新の記事
-
米の作況指数の公表廃止 実態にあった収量把握へ 小泉農相表明2025年6月16日
-
【農協時論】米騒動の始末 "瑞穂の国"守る情報発信不可欠 今尾和實・協同組合懇話会委員(前代表)2025年6月16日
-
全農 備蓄米 出荷済み16万5000t 進度率56%2025年6月16日
-
「農村破壊の政治、転換を」 新潟で「百姓一揆」デモ 雨ついて農家ら220人2025年6月16日
-
つながる!消費者と生産者 7月21日、浜松で「令和の百姓一揆」 トラクターで行進2025年6月16日
-
【人事異動】農水省(6月16日付)2025年6月16日
-
3-R循環野菜、広島県産野菜のマルシェでプレゼント 第3回ひろしまの旬を楽しむ野菜市~ベジミル測定~ JA全農ひろしま2025年6月16日
-
秋田県産青果物をPRする令和7年度「あきたフレッシュ大使」3人が決定 JA全農あきた2025年6月16日
-
JA全農ひろしまと広島大学の共同研究 田植え直後のメタンガス排出量調査を実施2025年6月16日
-
生協ひろしま×JA全農ひろしま 協働の米づくり活動、三原市高坂町で田植え2025年6月16日
-
JA職員のフードドライブ活動で(一社)フードバンクあきたに寄贈 JA全農あきた2025年6月16日
-
【地域を診る】「平成の大合併」の傷跡深く 過疎化進み自治体弱体化 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年6月16日
-
いちじく「博多とよみつひめ」特別価格で予約受付中 JAタウン2025年6月16日
-
日本生協連とコープ共済連がともに初の女性トップ、新井新会長と笹川新理事長を選任2025年6月16日
-
【役員人事】日本コープ共済生活協同組合連合会 新理事長に笹川博子氏(6月13日付)2025年6月16日
-
【役員人事】2027年国際園芸博覧会協会 新会長に筒井義信氏(6月18日付)2025年6月16日
-
農業分野で世界初のJCMクレジット発行へ前進 ヤンマー2025年6月16日
-
(一社)日本植物防疫協会 第14回総会開く2025年6月16日
-
農業にインパクト投資を アンドパブリックと実証実験で提携 AGRIST2025年6月16日
-
鳥取・道の駅ほうじょう「2025大大大スイカフェスティバル」22日まで開催中2025年6月16日