TOWING 国内普及と世界展開へ シリーズBラウンドで19.4億円を資金調達2025年5月30日
高機能バイオ炭「宙炭」を開発・製造・販売および、関連する技術サービスを提供するTOWING(愛知県名古屋市)は、国内普及と世界展開に向けてシリーズBラウンドで19.4億円の資金調達を実施。累計調達額29.5億円を達成した。
引受先企業
TOWINGは、シリーズBラウンドにおいて、既存投資家のBeyond Next Ventures、三菱UFJキャピタル、京都キャピタルパートナーズがそれぞれ運営するファンドおよび、東邦ガス、新たに脱炭素化支援機構(JICN)、三菱UFJ信託銀行、兼松、サントリーホールディングス、ノリタケ、電源開発、博報堂、AgVenture Lab、岡田光信氏を引受先とした第三者割当増資ならびに、あおぞら企業投資のベンチャーデット、愛知県信用農業協同組合連合会の融資により、総額約19.4億円の資金調達を実施した。今回の資金調達により累計調達額は約29.5億円を超えた。
宙炭100%の土壌で栽培されている野菜
「宙炭」は、TOWING独自のバイオ炭前処理技術と微生物培養技術を、農研機構が開発した技術と融合させて実用化した土壌改良資材。土壌の健康を向上させ、減化学肥料・有機転換の促進、作物の品質や収穫量の向上など、多くの有効機能を持っている。
バイオ炭は通常アルカリ性で、農地への施用量によっては土壌のpHを上昇させ、作物の生育不良を引き起こす可能性があるが、「宙炭」は中性に近い性質を持つため、単体で栽培しても作物が良好に生育。さらに、宙炭を使うことで地域の未利用バイオマスのアップサイクルや、農地への炭素固定を通じて温室効果ガスの削減も可能で、リジェネラティブ(環境再生型)農業の実現にも貢献する。
TOWINGは、農業が抱える課題である化学肥料依存や土壌劣化などの課題を解決するとともに、地域の未利用バイオマスの利活用や農地への炭素固定による温室効果ガス削減など、一つの資材で様々な課題を解決できる土壌改良資材「宙炭」の社会実装を国内外で進めてきた。
このほど調達した資金は、高機能バイオ炭に関するさらなる研究開発および、地域パートナーとの連携による製造拠点の拡充(量産を担うプラントの建設等)、さらに国内だけでなく海外事業拡大に向けた体制構築に充当する。
TOWINGは現在、全国各地で宙炭の試験導入を実施して一定以上の効果を確認。宙炭供給体制の構築に向け、地域パートナーと連携して宙炭の製造拠点の立ち上げを推進している。2024年には宙炭の研究開発と量産化を目的として豊橋プラントを稼働。2025年3月には、岩手県気仙郡住田町に岩手プラントを建設し、4月から試験運用を始めており、今後も全国各地での宙炭の製造と流通の確立に取り組む。
また、リジェネラティブ(環境再生型)農業や、カーボンクレジットなど、宙炭に関連する周辺事業の拡張も行っている。リジェネラティブ農業については、国内だけでなくアメリカやブラジル、タイで、大手グローバル企業等と連携し、トマト、サトウキビ、コーン、大豆、コーヒー等の作物において宙炭を利用した大規模な環境再生農業への転換や炭素貯留を目的とした実証を開始。ブラジルでは、劣化した牧草地や農地の国家的な再生プロジェクトに参画し、国際協力機構(JICA)や農林水産省と連携しながら現地の持続可能な農業への転換を目指す取り組みを進めている。
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